しいて"好み"を言えばXF35mmF1.4のほうかな

富士フイルム・X-T10+XF35mmF2 R WR

 XF35mmF2 R WRは6群9枚構成のコンパクトで軽量(約170g)、スマートな外観の53mm相当の標準レンズである。XFレンズ特有の絞りリングもある。
 Xシリーズ用交換レンズには「XF」と「XC」のふたつのシリーズがあるが、基本的に絞りリングのあるのは「XF」レンズのみで「XC」レンズにはない。レンズ名に「R」のイニシャルが付いたものが絞りリング搭載モデル。




 ただしXFレンズの中で「R」レンズでないものが1本だけある。パンケーキタイプの薄型XF27mmF2.8レンズがそれだ。XCレンズでないのに絞りリングを省略していて、大変に「残念」なレンズである ━━ 富士フイルムのあるレンズ設計者が「無理をしてでも絞りリングを組み込んでおけばよかった…」と言っていたのを思い出す。
 XF35mmF2レンズは小ささを優先させたレンズであるが絞りリングを搭載して、その操作感もとても良い。というわけでXシリーズのカメラは、セットしたレンズの絞りリングを操作して撮影するスタイル(絞り優先オート)がいちばん似合うしおすすめだ(※個人的意見)。

 XF35mmF2レンズは6群7枚構成のレンズ群の中の、小さくて軽いレンズ部を前後させてピント合わせをするインナーフォーカス方式を採用している。欠点は多いが(※個人的感想)、高速AFに有利な方式である。このことは前回のブログで述べた。
 AF駆動用のアクチュエーターにはステッピングモーターを採用している。ステッピングモーターは近年改良が進んで、小型化、静粛性、高速応答性が向上してきている。高速AFや動画撮影に対応したレンズの主流のアクチュエーターになるかもしれない。

 ところで、XFレンズシリーズには、このXF35mmF2ともう1本、XF35mmF1.4のレンズがある。XF35mmF1.4のほうは、構成レンズ群のすべてを丸ごと"チカラまかせ"に前後させてピントを合わせる方式(全群繰り出し方式)を採用している。ピントリングを指先で回転するMFレンズならいざしらず、小さなモーターを使ってスピーディに駆動させなければならない現代のAFレンズで、こんな「古典的」方式を敢えて採用するレンズは珍しい。なぜ、あえて「古典的」方式を採用したかと言えば、目的はだた1つ、描写性能を最優先したからだ。

 小型軽量で高速AFのXF35mmF2レンズか、それとも無骨で"もっさり"したXF35mmF1.4レンズのどちらを選ぶかと言われれば(実販価格はほぼ同じ)、高速AFをもとめない動画でAFはしない、描写優先であるなら迷わずXF35mmF1.4レンズのほうがいい(※個人的趣味)。