使いこなしには「覚悟」が必要なレンズ

ニコン・D810+シグマ・20mmF1.4 DG HSM




 大きい重い(尋常じゃないほどの)レンズだから、当然ながら良く写る。大きくて重いのに、写りはまあまあなんてレンズは最近ではめったに見かけないが、でもそれにしても思い切ってシグマはよくもまあ、こんなに堂々たるレンズを作って売っているなあと感心する。約1キログラムのレンズ。
 20mmという超広角レンズながら開放F値はF1.4と大口径。それが10万円そこそこの価格というのにも驚く。

 シグマは2年ほど前から、ナニかがふっきれたように我が道を驀進するようになった気がする。まるでターボ付きエンジンのクルマに乗り換えたみたい。発表する製品も個性的で性能もいいし注目度も高い。シグマのブランドイメージも大きく変わった。
 来週にはCP+が始まるから、数日後にはシグマからまた「おおっ」というような"常識外れ"のレンズが発表されるに違いないだろう。愉しみ…だけど、また大きくて重いレンズを出してくるんだろうなあ。

 F1.4開放絞りでも、画面中央部の解像描写性能は素晴らしい。さすが画面四隅あたりは像が流れるが少し絞れば(F2.8~F4)がぜん良くなる。じつにシャープで力強く男性的な描写だ。ディストーションも大変に少ない。なよなよとした曖昧なところがない。描写の"良さ"が初心の人にでもわかりやすい、そんなレンズ。
 ただし使いこなしは、そう簡単ではない。超広角特有のパースペクティブとディフォルメーション(ディストーションではない)、そしてF1.4の浅いピントと超広角の深いピント。それらを吟味しながら頭を使って撮影ポジションやカメラアングルを決めていかなくてはならない。