K-1にはレンズキットモデルの販売はなし

リコーイメージング・PENTAX K-1+HD PENTAX-D FA 28~105mmF3.5~5.6ED DC WR

 レンズ交換式カメラの新型が発売されるとき、一般的にだがボディとレンズをセットにした"レンズキット"モデルが用意される。レンズとセットにすることで安い価格設定にして購入を促進しようという狙いがある。
 ところがK-1では、キット用レンズにぴったりの新型FA28~105mmF3.5~5.6があるというのにキットモデルにせず、ボディ単体のみの販売である。




 ニコンのD5やキヤノンのEOS 1D X Mk2などのフラッグシップ機種では、以前から当然のようにキットモデルは用意されていない。新規に購入するというユーザーが少ないこともあるが、そうしたフラッグシップ機を購入するユーザーはすでにたくさんの交換レンズを揃えている場合が多いからだ。
 富士フイルムのX-Pro2ではキットモデルが用意されていないのはきっとニコン、キヤノンと同じ理由だろう。

 ではK-1もまた、そうした理由でボディ単体販売のみなのか、といえば、どうもそうではなさそう。
 あれやこれや製造コストのかかっている ━━ カメラを少し見れば、いかに手間をかけて丁寧に作っているかがよくわかる ━━ K-1と、これまたしっかりと作り込んでいるFA28~105mmズームをセットにして、これ以上に価格を下げて売りたくないというリコーイメージングのぎりぎりの気持ちが込められての単体販売なのかもしれない。

 いやそうではなくて、キット販売するとすれば適応レンズがいま、FA24~70mmF2.8とFA28~105mmの2本あって、さぁどっちの組み合わせにするか、いや思い切って2つのキットモデルにするか、とかなんとか話がややこしくなるからボディ単体の販売としたのかも。
 K-1はKシリーズのトップモデルだし、645Zを別にすればペンタックス一眼レフのフラッグシップ機種であるのに、ニコン、キヤノン、富士フイルムのフラッグシップ機のように余裕綽々でカメラを売ることができないというあれこれの事情もあったのだろう。

 というわけでFA28~105mmズームの話。
 ごくフツーのスペックと価格のズームレンズだ。しかし、そのわりには意外に(といっちゃ失礼だが)じつに良く写るのだ。
 ペンタックスのレンズ設計・製造部門はムカシからそうなのだが、思いっきり肩にチカラを込めてがんばっていいレンズを作ろうとすると良品がなかなかできなかったり、発売が大幅に遅れたりする傾向がある。ところが、ふふーんっと気楽に設計して作ると、この28~105mmズームのように"期待以上"のデキの良いレンズがひょっこり生まれてくることがある。ちょっとヘンな会社だ。

 唯一の不満点は最短が50センチと、このクラスのレンズにしてはやや遠いことぐらいか。F値はF3.5~5.6とナンのヘンテツもないが、描写はとてもいい ━━ 超解像のリアルレゾリューションモードで撮影しても充分に持ちこたえている。逆光にめちゃ強い ━━ なんとかゴーストやフレアを出してみようとがんばったけどゼンゼン出てこない。
 価格と性能、操作性などを総合的に考えれば、こういっちゃナンだけど、FA24~70mmよりもこのFA28~105mmのほうがK-1との相性はいいと思うし、おすすめの"キットレンズ"だ。