動くハウルの城ではないか、このカメラのメニューは

オリンパス・PEN-F+M.ZUIKO DIGITAL ED 12mmF2

 「PEN」とネーミングされているから、はじめはPシリーズの流れを汲んだものかと考えたのだが、どうもそうではなくて、Pシリーズ/OMシリーズとは違った新しい(独立した)ラインのカメラらしい。アナログ的な操作部や考え方をふんだんに取り入れた、ややクラシックな雰囲気のあるカメラでもある。
 ぼくにとっては、いま、好感度バツグンのカメラのひとつだ。男性にも女性にも似合いそうなユニセックス的カメラという気もする。




 ただし、最近のオリンパスのカメラに共通した特徴でもあるのだが、新型カメラがでるたびに撮影機能や新しい設定項目がどんどん追加されて複雑難解なカメラになるといった、そうした傾向がこのPEN-Fには著しい。
 メニューの中を覗いてみると、まるで「動くハウルの城」のようで、大小のプレハブ小屋が大急ぎで付け足されているようだ。だから目的のところになかなかたどり着けない。
 新しい撮影機能が盛り込まれるのは、それはそれでいいとは思うのだけどもう少しシンプルでわかりやすいユーザーインターフェース(UI)にできなかったもんだろうか。

 でも、メニューの複雑なUIと一部の難解な撮影機能を少しガマンすれば、このカメラはとても魅力的。とくに、ぼくが好きなスナップ撮影にはもってこい、のカメラだ。シルバーとブラックの2モデルがあるが、シルバーはスナップ撮影をするにはちょっと目立ちすぎるようなのでブラックモデルのほうを選んだ。
 サイズも重さもベスト。好みではないバリアングル式の背面モニターではあるが、これをくるっと裏返してEVFを覗いて撮影すれば、まるでフィルムカメラのような気分にもなれる。

 ボディ前面にある奇妙なダイヤルや ━━ カメラをホールディングするときに中指をそのダイヤルに引っかけるとぐんと持ちやすくなる ━━ その他の新しい撮影機能や操作部はいっさい「無視」することだ。時間をかけてPEN-Fを使い続けているうちに、気が向いたときに少しづつ新しい撮影機能を試していけばよい。それまでは純粋に写す道具として割り切って使えば、こんな愉しいカメラもない。