PEN-Fは美しいスタイルのカメラだ

オリンパス・PEN-F+M.ZUIKO DIGITAL ED 12~40mmF2.8 PRO

 PEN-Fはスタイル(外観デザイン)が大変に良い。前から見ても後ろから見ても、精密で精巧なカメラらしい美しく上品なスタイルをしている。
 ただし操作性については、メニューのUIはあきらめるとしても、ボタン類がやや小さすぎて難儀することもあった。もうひと回りほど大きければ操作感はだいぶ違っただろう。
 しかし、メインスイッチダイヤル、モードダイヤル、露出補正ダイヤル、そしてボディ全面にあるクリエイティブダイヤル、前と後のコマンドダイヤル、この6つのダイヤルの操作感はすこぶる良い。指で触れたときの感触と、操作したときに指先に伝わる確実感がいい。




 その6つのダイヤルはすべて金属製で、同じパターン(こまかな綾目(アヤメ)模様)のローレット仕上げである。PEN-F以外のOMシリーズのダイヤル類は、ローレット仕上げではあるのだが綾目と平目が混在していて、なんといいましょうか優柔不断な感じがして気になっていた。
 ところがPEN-Fでは、どのダイヤルも同じパターンにしているので統一感があって、とてもイイ感じ。デザイナーのこだわりがカメラを操作する指先に伝わる。

 ボディ左上部のメインスイッチダイヤル、この操作がやりにくい、なんてコメントを聞いたことがあるが、ぼくにはそんな印象はまったくない。ぼくはいつも左手の人差し指でON/OFFをしているのだが、カメラを持ったと同時に軽やかに確実に作動できる。いい感じだ。

 ところで、このPEN-Fの外観のどこを探してもビスが見あたらないのをご存じだろうか。ボディマウントを固定している4本のプラスビスを除けば、ボディ上部、ボディ下部、背面、横面のどこを見ても1本の固定ビスもない。試しにバッテリー蓋を開けて電池を抜いて、その底部を見てみるがいい。そこにもビスはない。
 では、カメラを修理分解するときにどうするのか、といえば方法がある。しかし、それは内緒にしておく。不思議なカメラが世の中にひとつぐらいあってもイイじゃないか。
 ことほど左様に、このPEN-Fはカメラのスタイリングと操作感に充分に配慮されている(配慮が行き届かないのはメニューのGUIだけ、くどいようだけど)。

 これだけ手の込んだ仕上がりで、アナログ的操作を多用したカメラは(富士フイルムのXシリーズのカメラもうそうだが)、必然的にコストがかかる。価格は高くなる。
 そのへんのことに理解が及ばない人たちは、残念なことだがすぐに「高いカメラだ」と単純反応してしまう。良いものは高いのだ。カメラも同じ。
 安い価格のカメラを作るには、あちこち手を抜かなければいけないし、コストのかからない材料を選ばなくてはならない。スタイリングもそっけなくなる。見るからに安っぽい、そんなカメラでいいというなら、それはそれでいいでしょうけれど、ぼくはそれはイヤだなあ。