コンテンポラリーラインの30mmF1.4レンズ 《 その3 》

シグマ・30mmF1.4 DC DN+オリンパス・PEN-F

 以下、シグマ製品についての、やや"おたくっぽい話"になります。

 30mmF1.4 DC DNのような、ミラーレスカメラ用のAPS-Cサイズとマイクロフォーサーズのセンサーをカバーするレンズには、シグマからはすでにF2.8単焦点シリーズとして「19mmF2.8 DN」、「30mmF2.8 DN」、「60mmF2.8 DN」がある。ちょうど3年前の2013年3月の発売開始で、いまも継続販売中(当初からレンズ名にDCはついていない)。

 注目したいのは、これら3本はすべて「アートライン」のレンズであることだ。
 アートラインのレンズは「……最高の光学性能と豊かな表現力に集中して開発……」とシグマが胸を張る高級レンズである。ところが、この3本は「アートライン」にランクするには少しもの足りないところがなくもない。価格も安かったし「コンテンポラリーライン」の中クラスのレンズではないだろうかと、発売時に奇妙な印象を持っていた。




 今回、あらためて新型30mmF1.4 DC DNレンズと旧型30mmF2.8 DNレンズを撮り比べてみたのだが、文句なしに新型30mmF1.4レンズのほうが良い。解像描写力がだいぶ違う。なのに、旧型30mmF2.8がアートのレンズ、対して新型30mmF1.4がコンテンポラリーのレンズである。
 この写真の、左がアートの旧型30mmF2.8、右がコンテンポラリーの30mmF1.4。開放F値が異なるけれど、見るからに右の30mmF1.4レンズのほうが立派で性能も良さそうだ。そもそも、左の30mmF2.8レンズはDP2 Merrill(2012年7月発売)の内蔵レンズと光学系はほとんど同じで、それを交換レンズ化したもの。「流用」とは言い過ぎだが、それに近い。

 旧型30mmF2.8が発売されたのは3年ほど前のことで、アート、コンテンポラリー、スポーツのプロダクトラインがスタートしたばかりだ。たぶん、シグマとしては新しくプロダクトラインをスタートさせて気分が高揚していたのだろう、ついご祝儀のような気持ちで ━━ ほんらいはそれほどの実力がなかったにもかかわらず ━━ その30mmF2.8をアートレンズとしたのではないか。

 30mmF2.8 DNだけでなく、19mmF2.8 DNも60mmF2.8 DNも、ちょっとした手違いによる「ご祝儀アートラインのレンズ」だとぼくは考えているのだが、しかし、その頃を境にして急激にシグマ交換レンズの性能が良くなってきたのだ。
 シグマ・プロダクトラインが本格的に走り始めてから、それ以前のシグマのレンズに比べると、大幅に性能が良くなってきたし、レンズごとのバラツキがなくなり、レンズ操作性も外観のクオリティーも大変に良くなってきている。

 シグマにどんな変化があって、製品(レンズ)の性能や品質がこれほどまでに良くなってきたのだろうか。
 いくつかの理由はあるだろうが、そのひとつはレンズの設計や製造、調整をしているメンバーひとりひとりの「やる気(モチベーション)」がはっきりとしてきたからではないかと、ぼくは思うんですよ。

(追加情報)
 旧型30mmF2.8 DN交換レンズについて1つ言い忘れていたことがあった。
 この30mmはDP2 Merrill 内蔵固定式レンズをモディファイして交換レンズに仕立てたレンズだということは述べた。そのDP2 Merrill での30mmと、単体30mm交換レンズとでは描写がだいぶ違っていた印象だった。内蔵30mmはとても良かった。そんなことを、昨夜、思い出した。どうでもイイことだけど…。