コンパクトカメラの内蔵レンズ、カシオの場合

カシオ・EX-ZR3000

 このクルマは、ぼくの知人所有の小型軽量2座スポーツカー。トヨタのS800(エスハチ、ヨタハチ)。約50年前の、生産台数が約3千台そこそこの希少車。販売は国内のみだったそうだ。ハードトップはデタッチャブルでトランクルームに手品のようにすっぽり収まる。




 ZR3000は画質が良い ━━ おそらく、昨年のことになるが、このブログでZR3000の紹介をしたときも同じようなことを書いていたと思う(よく憶えてないけど)。
 その画質が良い理由には3つの要因がある、とそんなことを昨日のブログで述べた。

 ひとつめが、1/1.7型の約1200万画素の裏面照射CMOSセンサーを使っていること。1/2.3型でない、2000万画素オーバーでもないというところがミソ。
 ふたつめは、プレミアムズームとカシオがよんでいる超解像撮影モード。この撮影機能ほ本来の目的はデジタルズーム域での画質向上のため。ちなみに、こちらの比較写真が、デジタルズーム域でプレミアムズーム機能をON/OFFしたものだ。約1000ミリ相当の画角。それを部分拡大しての比較画像。

 そして、本日これから話をすることが、ZR3000良い画質のみっつめの要因。内蔵ズームレンズの描写性能が良いことだ。25~300mm相当でF5.4~6.3。ごくありふれた高倍率ズームだが、これが「アタリ」のレンズみたいで良く写る。
 知っての通りカシオはカメラ用レンズを作っていない。すべて「部品」として、レンズユニットを専門のメーカーから購入してそれをカメラに組み込んでいる。大手のカメラメーカーのコンパクトカメラだって似たようなもの。

 ZR3000に内蔵のズームレンズは(おそらく)HOYA製。小さくて高倍率で1/1.7型センサーをカバーするズームを作っているメーカーは少ない。
 HOYA製ということは、そう、ペンタックス。ペンタックスのカメラ部門がHOYAからリコーに移るときに、コンパクトカメラ用レンズユニットを作っている部門をHOYAはリコーに渡さなかった。人も設備もそっくりそのまま。業績が良かったこともあるが、車載用など将来的に儲かる可能性があると見込んでいたのだろう。
 ついでに言うと「PENTAX」の商標も、いまでもHOYAが持ち続けているらしい。内視鏡のブランド名として役立つ。HOYAに比べれば文句なしにPENTAXのほうが世界的に有名だ。

 交渉のしたたかなHOYAは、キったハったの交渉が得意でないリコーをうまく「手玉」にとって ━━ というと語弊があるが悪気はありません ━━ HOYAにとって将来の展望が期待できない部門をリコーに引き取らせた。「PENTAX」のブランド名は手放さずに。冷徹で合理的、さすがHOYA。とはいえHOYAも企業なのだから儲けが第一。決して悪いと言っているわけではない。

 いかん、生々しい話になってしまったので、もとに戻す。

 この内蔵ズームレンズには1つ「不満点」がある。最短撮影の機能だ。
 スペック表には最短は「6センチ」と記されているがこれは広角端、つまり25mm相当の画角のとき。ほんの少しでも望遠側にズームすると、とたんに近くにピントが合わなくなる。じつは、こうしたズームレンズはたくさんあるのだが、撮影していてこれがイチバン困る。
 しかし、だいぶ前に生産終了になってしまったがリコーの「CX6 に内蔵のズーム(28~300mm相当)などは、200mm程度の画角にズーミングしても10センチ近くのものに、何ごともなくピントが合わせられる。望遠マクロ撮影がいとも容易にできる。広角端だと1センチだ。だから不可能なことではなく、やってやれないことはないはず。ZR3000内蔵の「HOYA=旧PENTAX」のズームは、描写性能はいいのだけどそのへんの配慮(努力、かな)がちょっと物足りない感じがする。