そこのけそこのけシグマが通る…

SIGMA・sd Quattro+50mmF1.4 DG HSM:Art

 sd Quattroはミラーレスカメラであるが、通常のフランジバックの短いミラーレスカメラと違って、一眼レフカメラと同じ長いフランジバックのミラーレスカメラである(ややこしい言い方ですまぬ、文句はシグマに言ってくれ)。

 このフランジバックの長いミラーレスカメラ(sd Quattro)の最大のメリットは、一眼レフカメラ用の交換レンズがマウントアダプターなしでそのまま使えることだ。もう1つのメリットは、あらたに大金をかけてフランジバックの短いミラーレスカメラ専用の交換レンズを開発し販売する必要がないこと。
 4年ほど前に発売された「PENTAX K-01」も、一眼レフ用交換レンズを使用するKマウントのミラーレスカメラだった。sd Quattroも、それと同じスタイル。




 sd QuattroのマウントはシグマSAマウントである。従来のSDシリーズ ━━ シグマの一眼レフは大文字「SD」、ミラーレスは小文字「sd」 ━━ 、その一眼レフSDシリーズ用としてラインナップされているたくさんたくさんの交換レンズがある。それがsd Quattroで使うことができる。交換レンズの種類のことを考えれば、大変に贅沢な新参者ミラーレスカメラである。

 sd Quattroのカメラボディスタイルは多くのミラーレスカメラと違って、マウント部がボディから飛び出している。フランジバックの長い一眼レフ用交換レンズが使えるようにするためである。
 マウントアダプター内蔵固定型ミラーレスカメラと考えればいいだろう。

 sd Quattroで使える交換レンズはたくさんラインナップされているのだが、ただし問題もある。AF撮影したときの合焦速度と合焦精度である。すべてのAF対応のSAマウントレンズが、sd Quattroで素早く、かつ正確にAF測距ができるとは限らないのだ。
 一部のレンズでは、AF測距スピードがかなり遅かったり、あるいはAFが遅いだけでなく合焦しなかったり、もっと相性の悪いレンズになると誤測距してまうこともある(これがイチバン困る)。
 そのへんの注意すべきレンズについては、シグマは正直に情報公開している。
 ここを参考にすればいい

 つまり、sd Quattroというカメラをウマく使いこなすには、あらかじめ「納得」しておくべきことや「覚悟」しておくべきことがいくつかあって、誰でもがほいほいっと気軽に操作して安易に撮影ができるというカメラではない。
 撮りたいものにカメラを向けてシャッターを押しさえすれば期待以上の写真が撮れるという「優しいカメラ」ではないということ。チカラワザでねじ伏せたり、おだてたりして使いこなす「我が儘カメラ」である。ユーザーにへつらったりするところがまったくない。唯我独尊。そこのけそこのけシグマが通る…。

 だから、ウマく撮れたときは(画質はダントツに良い)、他のデジタルカメラとはまったく違った嬉しさと喜びを感じさせてくれる。もし三度ウマく撮れれば、たったそれだけでシグマ信者になってしまう(ぼくもそのクチかも)。「魔性のカメラ」と言われるゆえんだ。