悪魔のレンズ

オリンパス・M.ZUIKO DIGITAL ED 12~100mmF4 IS PRO + OM-D E-M1

 先日のフォトキナの開催にあわせて、M.ZUIKO DIGITALの新レンズが3本発表された。
 「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mmF1.2 PRO」、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12~24mmF4 IS PRO」、そして「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mmF3.5 Macro」の3本である。大口径単焦点が1本、高倍率ズームが1本、小型軽量低価格なマクロレンズが1本、という具合だ。発売は少し先の話になって11月下旬の予定。

 発表された3本、いずれも"なかなか"の力作レンズである。
 センサーサイズがやや小さめのマイクロフォーサーズの利点をうまく生かしたレンズで、ようやくというか、本格的にというか、オリンパスがマイクロフォーサーズのセンサーの特性をしっかりと掴んで自信を持って使いこなすようになってきた(偉そうな言い方ですまんが、そんな感じがする)。

 いままでは、ややもするとAPS-Cサイズ判やフルサイズ判の大きめのセンサーをオリンパスは意識し過ぎて、肩を怒らせ対抗心をあらわにしているようなところがなくもなかったのだが、最近そんな"怒り眼"がなくなり、ふっきれたように腰を据えてマイクロフォーサーズに真正面から取り組んでいるように見える。
 同様のことは、先日発表されたE-M1 Mark2にも言えること。いいことだと思うし、これからのオリンパスが愉しみですね。




 3本の新型レンズを使ってみて(ベータ版を2~3週間程度の短期間試用しただけど)、いちばん印象的だったのは12~100mmF4ズーム。
 オリンパス、ソレちょっとヤリすぎじゃないの、と思わないでもなかったが、正直言えばやや衝撃的なレンズでありました。24~200mm相当の高倍率ズームであるが、こんな描写のレンズなんてあまり見た経験がない。

 描写特性については、好き嫌いのレベルでの評価が ━━ 良し悪しの評価ではない ━━ だいぶ分かれるとは思うが、それはともかくとして、凄い解像感である。開放F4から、ズーム全域で、画面中心部も周辺部も、ばりばり、かりかり、つんつんの解像感である。
 同じように「線の太い」解像描写特性を持ったM.ZUIKO DIGITAL ED 40~150mmF2.8 PROのそれよりも、さらに力強い描写である。解像描写力の高さが、誰にでも、パッと見ただけですぐにわかる描写。

 その描写にすっかり虜になってしまう人も出てくるに違いない。そういう意味で「悪魔のレンズ」と言えるかも。

 コントラストもかなり高め。線の太い解像感のうえにハイコントラストだから、描写の切れ味という点ではじつに強烈。だから、微妙な諧調描写がやや犠牲になってしまうのではないかという心配はあるが(ソコが、このレンズを好きになるか嫌いになるかの分かれ目かも)、でもわかりやすい描写のレンズだ。
 12mm広角端、F4開放絞り値で撮っても、周辺部までじつにシャープに写る珍しいレンズ。周辺の描写性能を向上させるために絞り込む、なんてことが必要ない。被写界深度を深くして撮るための絞り込むということ以外、絞りを操作する必要がないんじゃないかと思うくらいだ。
 この12~100mmには特長(特徴、かな)が、もう1つ、2つあって、それについては次回にでも。