どうして焦点距離135mm単焦点レンズに人気がないのか

シグマ・135mm F1.8 DG HSM/Art+キヤノン・EOS 5Ds

このシグマの135mmレンズについて、後日、追加説明をTweetでしています。
ご参考までに。

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 F1.8大口径と高ISO感度の"合わせ技"なら暗いシーンでも手持ちで撮れるだろうが、でも、やっぱりこのレンズで手ぶれ補正を使って撮影してみたい。ペンタックスKマウントだったら、それができるんだけどなあ…。



 いま、フルサイズ判一眼レフ用交換レンズの中で、焦点距離135mmのレンズは、キヤノンが「EF135mmF2L USM」、ニコンが「AiAF DC NIKKOR 135mmF2D」、ソニーから「Sonnar T*135mmF1.8 」、そしてツアイスからは、これはMFレンズだが「Milvus 135mmF2」の、この4本ぐらいしかない(APS-C判ミラーレス用としては富士フイルム・XF90mmF2が1本あるぐらいか)。

 それぞれの発売時期はツアイスの135mmは今年2017年だが、ソニーの135mmは10年以上前、キヤノン、ニコンのそれの発売は20年以上前である。
 ということで、シグマの135mmF1.8レンズは、久しぶりのフルサイズ判一眼レフ用のAFレンズということになる。

 ムカシは ━━ そう、フィルムカメラの時代は ━━ 焦点距離135mmといえば大変にポピュラーな「望遠レンズ」で、そこそこ人気もあった。「定番レンズ」の1本だった。
 それがどうしたことか、いつの頃からか135mmレンズは見向きもされなくなった。いまとなっては人気のない代表選手のようなレンズのように感じる。
 しかし、じつは、ぼく自身は135mm単焦点レンズが大好きで、85mmよりも100mmよりも200mmよりも、手軽な望遠レンズとして好きな焦点距離なのだ。

 それが、ニコンもキヤノンも135mmレンズはモデルチェンジもせず20年以上もほったらかし状態。ペンタックスにはフルサイズ判用は言うに及ばず(少し前までは小型なF2.8のそれがあったのだが)APS-C判用としても1本もない。

 そんな不人気な135mm焦点距離のレンズを ━━ とぼくが感じているだけかもしれないけど ━━ なぜシグマが狙ったのか、そのへんがいまいちピンとこない。
 余計なお世話だっ、と言われそうだが、はたしてどれくらい売れるんだろうか、と心配。
 そんなことはシグマは(おそらく)承知の上のことだろう。そこをわかっていながら敢えて135mmレンズを企画して発売したわけで、そのシグマの「勇気」にちょっと驚いた。

 一般的にだけど、ポピュラーで使用目的もはっきりして使い勝手も良い(と思われている)85mmレンズに比べると、135mmはイマイチわかりづらく、扱いにくいレンズのようでもある。70~200mmクラスのズームレンズだと、どんぴしゃ、ど真ん中の焦点距離なので135mmの存在意義が薄れてしまったのかもしれない。

 でもしかし、いま、あらためて135mm単焦点レンズを見直してみる、というのもいいのではないだろうか。
 85mmや200mmレンズにはない、ほどほどの望遠効果(圧縮効果、引きつけ効果)があって、F1.8という大口径なので大きなぼけ味を生かした撮影が手軽にできる。確実にピントを合わせて撮れば、目を見張るような描写が得られる。

 シグマ135mmレンズの、だたひとつのモンダイは大きくて重いことだが、しかし、ちょっとばかり覚悟して使い始めればそのうち慣れるだろうし、そうなればもう1本の常用レンズになるかもしれませんぞ。
 というわけで、山木さん、ペンタックス用マウントのレンズも、ぜひ作ってくださいね。