ハイブリッドインスタントカメラ

富士フイルム・instax SQUARE SQ10

 SQ10の専用インスタントフィルムは「自動排出自己現像タイプ」とよばれるもの。もうひとつの引き剥がし方式の「ピールアルパートタイプ」と比べると取り扱いは簡便なものの、色調にややクセがあって(ラチチュードが狭く適正露出の必要あり)、満足のできる色調に仕上げるのがやや難しい。




 SQ10はインスタントカメラ・チェキにデジタルカメラの仕組みを内蔵させたもので、撮影すればすぐにその画像を背面の液晶モニターで確認し、色調や明暗などを加工して、それをインスタントフィルムに仕上げることができる。撮影した画像はカメラ内蔵のメモリーやMicroSDカードに保存しておくことができる。
 これを富士フイルムは「ハイブリッドインスタントカメラ」とよんでいる。

 こうしたカメラとプリンターを一体にしたような製品は、かれこれ17~8年前になるだろうか、同じ富士フイルムから「プリンカム」として発売された。
 SQ10と同じようにインスタントフィルムを使った一体型プリント出力可能デジタルカメラだったが、カメラのサイズが大きすぎたことや、その他あれやこれやがあって受け入れらることなく終わってしまった。
 ほぼ同じ時期に、同じように、キヤノンもまた似たようなプリンター内蔵デジタルカメラを開発していた。インクジェットでプリント出力するもので、キヤノンの技術展に「参考出品」されただけで結局、製品化はされなかった。

 というわけでSQ10は富士フイルムにとっては、「リベンジ」とも言えるカメラである。
 SQ10のもうひとつの大きな特長はインスタントフィルムにプリントされる画面が真四角、1:1のアスペクト比であることだ。
 使用するインスタントフィルムは専用の「instax SQUARE Film」で、フィルムサイズは「86×72mm」でその中に写し込まれる画面は「62×62mm」のスクエアーフォーマット。従来のインスタントフィルムと同じように、撮影後に画面周囲にメモ書きすることもできる。

 アスペクト比1:1のスクエアー画面で写せることが、SQ10の最大の魅力にもなっているし、注目も集めている。そこがおもしろい。

 フィルム時代の中判カメラで撮影したかのようなフォーマット画面が、いまとても新鮮に感じること。縦位置すべきか横位置か構図に悩むことがないこと。真四角フォーマットなので写したいものを真ん中に捉えればそれで写真が完結すること、などがスクエアーフォーマットに注目が集まっている要因かも。
 とくに写真撮影が初心の人たちにとっては、フレーミングに苦労をすることなく気軽に撮影が愉しめるし、新しい写真表現もできる。いまの「写真時代」にぴったりしている。
 富士フイルムは、ほんと「イイところ」を狙ったものだ。
 カメラのスタイルが少しヤボったいけど、でもこのカメラは売れるでしょうね。

 このSQ10の発売は、5月19日の予定で希望価格は3万1800円。専用のインスタントフィルムは10枚パックで1350円である。単純計算で1枚のプリントが約130円。

 カメラ価格はたぶん実販では3万円以下になるだろが、既存の富士フイルムのインスタントカメラと比べると倍近くする。ちょっと高い価格だなあ、と感じる人もいるだろう。
 しかし、SQ10は「デジタルカメラ」をそっくり内蔵しているし、新規の開発や製造のことを考えれば"安い"のではないかと思う。
 富士フイルムとしてはインスタントフィルムを"たくさん"使ってもらって、それでカメラ本体価格を"補う"という、そう、インクジェットプリンターの本体とインクとの関係のようなものかな・・・というのは、ややウガった見方かなあ。