最大の魅力は、軽さ、小ささ、手ぶれ補正、です

タムロン・10~24mmF3.5~4.5 Di II VC HLD+ニコン・D3400

 小さくて軽くて手頃な低価格超広角ズームレンズなので、カメラボディも小さくて軽いて手頃価格のニコンのD3400と組み合わせてみたら、これが素晴らしいマッチングでした。
 ところで広角レンズを使っての撮影上の大切なことは、正確なピント合わせです。広角レンズは深度が深いからピントは適当でイイや、と考えるのは大きな間違いです。




 今年春、タムロンから3本の「新製品」が発表された。ただし、その3本の新レンズはいずれも旧型をリニューアルし性能アップをはかったもので、そういう意味では「新鮮味」はほとんど感じられない。
 70~200mmF2.8も70~300mmF4~5.6も、10~24mmF3.5~4.5も、焦点距離も開放F値も旧型とまったく同じ。10~24mmズームだけが新しく手ぶれ補正(VC)の機能を内蔵させている。
 いっけんすると3本の新型レンズは、やや地味な改良型レンズと受け取られかねない。

 以前からタムロンは地味で堅実な(オジサン的)印象のメーカーである。そのうえに最近は、同じ交換レンズメーカーであるシグマの若々しさ華々しさ比べられるもんだから、余計につつましくて目立たない感じを受けてしまう。
 タムロンはいくつものメーカーのOEMをやっているため、そうした得意先メーカーの「手前」もあってか、「さあどうだっ、ウチの製品はこんなに素晴らしいのだぞっ」と言わないようにしているのかも。

 ひっそりと輝くタムロン、かな。

 タムロンは、じつはとても優れた技術をたくさん持っているメーカーなのだが、ときどき、製品の性能や品質にバラツキが出ることがある。これがウイークポイントの1つ。アタればいいのだがハズレるとちょっと悲しい思いをする。
 もう1つのウイークポイントは企画力。製品の企画が社内に向いてばかりで、われわれユーザーに向いてくれない。設計側にとっては作りやすく営業面からは確実に売れそうな商品ばかりを企画しているような、そんな気がしないでもない ━━ 企画担当者、がんばってね。

 というわけで、今年の新型3本レンズの中で、ぼくがいちばん注目したのが手ぶれ補正(VC)を内蔵させた10~24mmF3.5~4.5ズームレンズである。APS-C判用レンズで、画角はフルサイズ判換算で約16~37mm相当となる。旧型の10~24mmF3.5~4.5は2008年の発売だからざっと10年ぶりのモデルチェンジ。
 手ぶれ補正(VC)を内蔵していることが最大の注目点だろう。これは素晴らしい。

 一般的にはこのような超広角ズームレンズはぶれが目立ちにくために、多くのメーカーはしいて手ぶれ補正を内蔵しようとしない。苦労して手ぶれ補正の機構を組み込んでも、ユーザーは期待するほど喜んではくれない。価格も高くなるし光学設計上も制約も出てくる。
 そのことはタムロンもよくわかっている。しかし敢えて超広角ズームに手ぶれ補正を入れた。そこがタムロンの技術力の高さと、手ぶれ補正に対するこだわりの強さだろう。

 旧型10~24mmと新型10~24mmを撮り比べてみると、月とすっぽん、というぐらいに違う。新型が良い。正直に言えば、旧型10~24mmがこんなにもヒドい描写だったのか、とあらためて認識させられた、それほど違う。
 価格は大型量販店で税込み6万1千円ほど。全長は8センチそこそこで、400グラムちょいという小ささ軽さの超広角ズームレンズだ。手ぶれ補正も入ってるし(クドいか)、簡易型だが防滴の仕様にもなっている。

 性能の良いレンズにアタれば(宝くじよりもずっとアタリ確率は高いが)、きっとウハウハのレンズになるだろう。