「双子」カメラ

キヤノン・EOS 9000D+EF-S 18~135mmF3.5~5.6 IS STM

 キヤノンEOSシリーズのエントリーモデルとして同時に2機種が発売になった。ほぼ一ヶ月以上前。「EOS 9000D」と「EOS Kiss X9i」がその2機種だが、うーんなんと言えばいいか兄弟(姉妹)とはちょっと違う、「双子(ふたご)」とでも言おうか、そっくりウリふたつの2機種である。
 そう、どちらも、2015年に同じように「双子の機種」として発売されたEOS 8000DとEOS Kiss X8iの約2年ぶりのモデルチェンジ。いわゆる「プラットホーム」がまったく同じで、機種名と一部外観デザインが異なるだけ(なぜか、については後日に)。

 それにしても、同じ中身のカメラを2機種同時に作って売るというキヤノンの実力にはあらためて感心させられる。こんなことできるのはキヤノンぐらいだろう。
 たぶんEOSシリーズの中ではもっとも売る台数の多い機種だろうし、万が一にもの「失敗」は絶対に許されないし、いちばん「儲け」なければならない宿命を持ったカメラでもある。一昔前の、トヨタのカローラ、日産のサニーみたいなものじゃないか。

 9000DとKiss X9iを同時に使ってみて、いやあ驚きました、その2機種とも大変に「良くデキてる」のだ。スキがない。ツッコミどころも(ほとんど)ない。自信を持って他人 ━━ カメラ初心の人 ━━ にススめられるカメラである。

 ぼくは以前から、どんなカメラを購入すればいいのか、といった無料相談をときどき受けることがある。相手のことをいろいろと考えて「このカメラがおすすめですよ」と伝えてから、しばらくたってから、「それほどいいカメラじゃなかった」とか「ここがダメなカメラですね」と文句を言われたことが何度かあった。そんなこと言われたって・・・。
 そんな「ワガママ」なカメラ初心相談者に対しても迷わず後腐れなくおすすめしたいカメラが、メーカーではキヤノン、機種では、そう、9000DまたはKiss X9iだ。まず、あとで文句はこないだろう(たぶん)。

 ただしカメラ初心の人であっても、一眼レフカメラに自分なりの期待と見識と夢を持っている人や、カメラをただ単に写すための道具に過ぎないとは考えない人にはおすすめしたくない。
 またクルマを例えにするけど、A地点からB地点まで雨や風を防いでそこそこ気分良く安全に走って行ける手軽なクルマか、それとも、A地点からB地点まで行くのに少しぐらい乗り心地が悪くても運転が愉しくうきうきドキドキさせられるようなクルマ、そんなテイストの異なるふたつクルマがあるとすれば、そうですねえ、前者のクルマが9000DやKiss X9iってな感じがしないでもないです。
 後者のクルマのような一眼レフカメラはといえば、ヘンに誤解されると困るけど、PENTAXブランドのカメラなんかそんな感じがするなあ。

 9000DとKiss X9iについて、1つだけ個人的不満点を言うとすれば、光学ファインダーがプアーなことでしたね。貧弱。
 ミラーレスカメラ大盛況のいまだからこそ、一眼レフカメラの「命」とも言うべき大切な光学ファインダーだけはイイものにしてほしい。そこはコストダウンしないでもらいたい。
 9000DもKiss X9iも、正統ペンタプリズムではなくルーフミラーを使った「簡易的一眼レフ」で、視野率は95%しかなくてファインダー倍率も低くアイポイント長も短い。

 このクラスの一眼レフカメラは、おもにカメラ初心者が使う一眼レフだし、光学ファインダーに重点を置くよりも軽くすることや、低価格にすることのほうが優先順位が高い、と言われるのは承知の上だが、しかしだ、初心者が使うからこそ、光学ファインダーにもう少しキヤノンのチカラを込めてほしかった。世界一の一眼レフカメラメーカではないか。

 でも、ファインダー以外は、ほんと良くできた、さすがキヤノンの一眼レフカメラでありました。



 キヤノンEF-Sレンズには現在、新旧2本の18~135mmがある。新しい18~135mmのアクチュエーターには将来の展開が期待される「ナノUSM」を採用。しかし、今回使ったレンズは古いほうで9000Dのキットレンズにもなっている。アクチュエータはSTM。どちらのレンズも光学系は同じ写りも同じ(おそらく)。こちら「双子レンズ」。
 いま話題の築地市場の隅田川沿いから、かちどき橋を望む。いい天気の日曜日の午後。