三脚座と手ぶれ補正

シグマ・100~400mmF5.0~6.3 DG OS HSM/Contemporary + ニコン・D810

 このSIGMA100~400mmズームはレンズフードの形状がちょっとヘン。その理由はフードに指をかけて前後に押したり引いたりすることで、直進式ズームレンズのようにズーミングができるようにしているため、という。なるほどスピーディーにズーミングできて便利だけど、微妙なズーミング操作をするにはそれなりの「慣れ」が必要です。

 なお、APS-Cサイズ判のカメラで使えば「約150~600mm」の超望遠ズームになります。これスゴいよなあ。




 三脚座を省略したことにより、レンズを「より小型化、軽量化」できた。これについては前回に少し述べた。

 三脚座をレンズ鏡筒に固定するためには、スペースが必要だし、しっかりと固定させておくために鏡筒部分の強度も確保しなければならない。結果的に、レンズが大きくなったり重くなったり、部品代や製造コストもアップしてしまう。
 三脚座なんぞ、レンズ鏡筒のどこでも隙間を探してソコに組み込めばいいじゃないか、とおっしゃる向きもあろうかとおもいますけど、そうカンタンなことじゃない。

 三脚座の取り付け位置によっては、レンズ側の前後バランス(フロントヘビーかリアヘビーか)と、カメラボディ側重量とがシンクロして「シーソー現象」のようなことが起こることがある。レンズの三脚座はそのへんのことをよく検証して、取付け場所や大きさ、カタチなどを決めていく必要がある。結構、めんどうなもんだ。これが三脚座の呪縛。

 もともとシグマは、この100~400mmズームを手持ち撮影ができる70~300mmクラスの大きさ重さの軽快なレンズに仕上げようと狙っていたようで、そのためにも三脚座の省略は譲れなかったのだろう。つまり三脚座呪縛から逃れることで、これだけの軽量小型(さらに低価格)の100~400mmズームレンズができたというわけだ。
 その替わりと言っちゃナンだろうけど、手持ち撮影の「手助け」ともなる手ぶれ補正(OS)を内蔵している。手ぶれ補正機能がキライなシグマ(と、ぼくが勝手に思い込んでるだけだけど)としては、よくがんばった。

 ところが、理由がよくわからないのだが、シグマは手ぶれ補正のCIPA準拠の補正段数を「公表」しているレンズがほとんどない。どれくらい「効く」のさっぱりかわからない。
  CIPAの取り決めでは、補正段数は言いたくなければ言わなくてもいい。強制ではない。ただし補正段数を公表するときは、CIPAが決めた測定方法で検証しなければならない ━━ この測定方法が大変にややこしく、説明すればキリがなくなるので以下省略。

 シグマ以外のメーカーでも補正段数を公表していないメーカーもあるが、いっぽうでは自信満々で大きな声で発表しているメーカーや、目立たないように小声でこっそり補正段数を言っているメーカーもある。
 シグマが100~400mmの手ぶれ補正の補正段数を公表していないのは、CIPA準拠のテスト方法で検証した結果、シグマが狙った補正効果が得られてなかったからではないか、と疑ってしまう。4段の補正効果もなかったのかも。

 そこで、ぼくは100~400mmの手ぶれ補正がどれくらいの実力なのか試してみたくなり、あるメーカーの「補正段数5段ぶん」と謳っている望遠ズームレンズを使って比較撮影をしてみた。むろん、同じ焦点距離、同じカメラボディ、同じ被写体。

 結果は予想外で、その補正効果「5段ぶん」のレンズよりもシグマ100~400mmのほうが補正効果が高かった。
 これには驚いた。実感として少なくとも「4段ぶん」の補正効果はあるのではないか。でも、シグマは手ぶれ補正(の補正段数)についてはなにも言わない。謎なメーカーですねえ。