安い軽い小さい手ぶれ補正内蔵超広角ズームレンズ

ニコン・AF-P DX NIKKOR10~20mmF4.5~5.6G VR+ D3400

 ニコンがこんな低価格なレンズを作れるわけない、きっとタムロンのOEM(またはODM)だろうと勝手に思い込んでいたのだけど、レンズを手にしてみると「MADE IN THAILAND」と刻印してある。タムロンは青森県、中国(佛山)、ヴェトナム(ハノイ)の3カ所にしか生産工場はない。
 そうなのか、ニコンのタイ工場で作ったレンズなのか(おそらく)。




 この新しく発売されたニコンの10~20mmは、画角が15~30mm相当のAPS-Cサイズ判用(DXマウント)の広角ズームレンズである。
 ニコンには現在、似たようなレンジのDX広角ズームレンズが、この新型も含めて「3本も」ラインナップされている。

 (1) AF-S DX Zoom-Nikkor12~24mmF4G IF-ED(2003年2月発売)
 (2) AF-S DX NIKKOR10~24mmF3.5~4.5G ED(2009年5月発売)
 (3) AF-P DX NIKKOR10~20mmF4.5~5.6G VR(2017年6月発売)

 価格は、(1)の12~24mmが18万900円、(2)の10~20mmが12万9千円、(3)の新型10~20mmが4万4820円である(いずれも税込み、メーカー希望小売価格)。おそらく(2)の旧型10~20mmは市場在庫のみで早晩、ラインナップから消えることだろう。

 こうして価格を比べると(3)の新型がずば抜けて低価格だ。
 加えて新型10~20mmは大変に軽量。サイズも小さい。重さを比べてみると、(1)の12~24mmも(2)の10~20mmも約460gの重さがあるが、新型10~20mmはなんと半分の、たった230gである。
 さらには、3本の中で新型10~20mmだけが手ぶれ補正(VR)の機構を内蔵している。
 「安い、軽い、小さい、手ぶれ補正内蔵」、これが新型10~20mmズームの最大の特長か。

 いつもの繰り返しのレンズ話だが、描写性能の良いレンズの目安は「高い、重い、大きい」である。ただし、この目安が難しいところがあって、逆に「安い、軽い、小さい」レンズは描写性能が劣るのか、だめなレンズなのか、というと、そうとは言い切れないのだ。中には、安くて軽くて小さいのに、そこそこの描写性能の例外レンズもあるのだ。こればかりは、実際に撮ってみないことには、なかなかわかりづらい。
 では、この新しい「安い軽い小さい」10~20mmズームレンズはどうかといえば、その「例外レンズ」だと思う。

 飛びっきり良く写るレンズというわけではないが、充分な描写性能がある。80点は与えてもいいと思う。もし、低価格のこと、軽い小さいレンズであることを考慮にいれるとすれば「90点レンズ」ではないだろうか。使ってみればわかるが、描写については、ぶつぶつと文句を言うようことは(たぶん)なにもないだろう。
 ただし、このズームのマウントはプラスチック、ズーミングにややぎこちなさのあること、手ぶれ補正がレンズ鏡筒のON/OFFスイッチ操作ではなくメニュー内で設定する・・・などの"コストダウン"をしている。
 そのへんが、どうしても気にくわん、って人にはおすすめしません。