高画素低ノイズ

キヤノン・EOS-1Ds Mark III + EF24?105mmF4L IS
 1Ds Mark IIIの画素数は2110万画素。一部の特殊用途のカメラやデジタル中判カメラを除く“一般用”としては“世界最高画素数”のデジタルカメラとなる。
 さて、高画素カメラというと、すぐさま、じつに短絡的思考方法で罵詈雑言を浴びせかけるばかたれがいて困る。そうしたことを言っているとんちんかんたちの話を先日、すこし聞いてみたら、これがなんとも貧乏ったらしい理屈をいうのだった。いわく、画素数が多くなればメモリーカードの容量が足りなくなってしまう、HDDもすぐにいっぱいになってしまう、いま使っているPCのパワーでは思ったような画像処理もできない、とかなんとかいうわけだ。えーっそんなことを理由にデジタルカメラの高画素化に反対だと言っていたの、とぼくは呆れて聞き返してしまった。もし高画素のカメラが必要だと思えば大容量のメモリーカードやHDDを買い増せばいいじゃないか(ぼくなら迷わずそうする)、高画素を扱うにはプアーなPCなら高性能なPCに買い換えればいいじゃないか(カンタンなことじゃないか)。
 もし、そうしたことができない(経済的な余裕がない)のであれば、そもそも高画素デジタルカメラに手を出そうとせずに、低画素デジタルカメラ ―― いいカメラがわんさかある ―― で写真を愉しんでいればイイではないですか。


 2110万画素の1Ds Mark III、1670万画素の1Ds Mark II、そして1280万画素の3種類のキヤノン・フルサイズデジタル一眼レフで同一被写体を撮り比べて、その解像力の違いをみた。結果は、文句なしの1Ds Mark IIIであった。よく考えてみれば当たり前のことなんだけど、じつはこれほどまでに差がハッキリとするとは思っていなかった。1Ds Mark IIIの“実力”のほどを見せつけられた感じだ。解像力だけでなく階調描写力にも歴然とした差があった。
 さていっぽう1Ds Mark IIと5Dであるが、解像描写性ということにかんしては1Ds Mark IIよりも画素数の低い5Dのほうが優れていたのには少しびっくりした。これについては原因不明。

 新型1Ds Mark IIIと旧型1Ds Mark IIとは撮像素子サイズが同じだが画素数が異なる。つまり画素ピッチサイズが1Ds Mark IIIのほうが小さい。1Ds Mark IIIが約6.4μmで1Ds Mark IIが約7.2μm(参考までにニコン・D3が約8.45μm)。というわけで高ISO感度で撮影してみた。それらの画像を見比べ、ノイズの目立ち具合などをチェックした。
 その結果は、これまた予想外だったのだけど、画素ピッチサイズが1Ds Mark IIIのほうが小さいのにノイズの様子などは1Ds Mark IIとほとんど変わらない。いやむしろ、1Ds Mark IIIのほうが画質的にわずかによいのではないかという印象であった。撮像素子の改良とノイズ除去技術の進歩の結果だろう。画素ピッチが小さくなればノイズが増大するとの“常識”が覆った(画素ピッチが大きいほど低ノイズ化に有利なのは厳然とした事実であることに変わりはないけれど)。