羊の皮をかぶったオオカミ

キヤノン・EOS-1Ds MarkIII + EF70?200mmF4L IS
 1Ds Mark IIIのような2000万画素以上もある高画素フルサイズデジタル一眼レフを ―― たぶん、フルサイズデジタル一眼は3000万画素ぐらいは行くんではないか ―― うまく活用するには大事なことが三つある。このクラスのカメラを使いこなす人たちには釈迦に説法ではあるが ―― 正確にピントを合わせること、ブラさないこと、絞りすぎないこと。ピントだとかブレだとか初心者じゃあるまいし、と思うだろうけれど、高精細な画像を得るためには必要不可欠な条件であって、とくに1Ds Mark IIIのようなカメラを使うときには撮影パワーの70%以上はここに注力しなければならんのではないかと思う。
 1Ds Mark IIIは小型カメラといえなくもない。35mm判フィルムカメラをベースにして、そっくりそのシステムを流用している。しかし1Ds Mark IIIで撮影する画像は35mmフィルムの画像とはある意味“次元”が違う。感覚的には4×5または8×10カメラで撮影したかのような画像になる。だから、実際に撮影するときは4×5カメラか8×10カメラを使いこなすときと同じぐらいの慎重さで挑まないといかんのではないか。


 1Ds Mark IIIは、羊の皮をかぶったオオカミ、と言えなくもない。そのスタイリングから小型35mm判一眼レフカメラを使っているような軽快な気持ちになりがちだがそれは危険。ナメてはいかんです。三脚を使うにしてもオーバースペックだと思われるぐらいの頑丈なものを使用したほうがいいだろうし、ピント合わせにしても、正確にピントを合わせることはもちろんだが、どこにピントを合わせればいいのかをよく考えてピントを合わせなければならない。ごくごくわずかなピントのズレで写真を見たときの印象が大きく違ってくる。いうまでもないけれどAFかMFかという問題ではない。
 回折現象の影響にも充分に留意することだ。結論をいえば、とにかく絞りすぎないこと。とくに広角レンズになるほど回折現象の影響を強く受けて解像力の低下が著しくなる。ぼくの経験でいえば1Ds Mark IIIと14mmから24mmぐらいまでの広角レンズを使って撮影するときは、F8ぐらいまでに止めておくのが ―― もっとも高い解像感を得たいのであれば ―― ベターではないか。絞り込めば深い被写界深度が得られるメリットはあるのだが、絞り込まないでパーンフォーカスの写真を撮るという高度な撮影技術を磨かなくてはならない。そうとうに難しいと思う。だからこそ、いま、アオリができる特殊交換レンズが求められているのだろう。