「最高機種」

ニコン・D3+AF20mmF2.8
 ニコンは同時にデジタル一眼レフカメラの「最高機種」を2機種発表した。最高機種というものは、いままでの常識ならどのメーカーも1機種であった。ところがニコンはいきなり「最高機種が2台」だという。これじゃ大統領が二人、社長が二人、親分が二人といったようなもんか、いや違うか…。ニコン曰くフルサイズ判 (FXフォーマット) カメラとしての「最高機種」がD3であり、APS-Cサイズ判 (DXフォーマット) カメラとしての「最高機種」がD300である、だから「最高機種」が2機種なのだ、と。
 D3が“ニコンデジタル一眼レフの最高機種”であることにはなんの疑問も不思議もないが、しかしD300がD3と同じく最高機種であるかと言われれば、そりゃあそうだ、ともいえるし、ちょっと違うんじゃないか、とも言える。ここで誤解されては困るのだけど、D300が一般に言われているような「最高機種」に値しないという意味ではない。ぼくが両機種を使っての“皮膚的感覚”で言えば、最高機種はD3のほうだけであって、やはりニコンの「最高機種」はD3の1機種だけだよなあ、と思ったわけだ。


 とにもかくにも、D3は生まれる前からニコンの最高機種であることが宿命づけられていたわけだ。これに対してD300にはいろいろと大人の事情もあって、心ならずも「最高機種」に祭り上げられた ―― ここが大事 ―― という気が…、しないでもない。
 繰り返して言うけれどD300は最高機種としてまったく文句を言われないだけの実力があることは否定しない。シャッターを切ったときの感触の良さといい、AF性能やその他もろもろの充実した機能は、さすがニコン。ぼくが感じたことは、しかしD3と“対等の最高機種”ではないぞ、ということなのだ。これはぐだぐだ言うまでもなく当たり前の事実なんだけど。それほどにD3はよくできたカメラだということ。
 でも、ま、考えてみれば贅沢なハナシだよね、最高機種ッ、と胸を張ってい言える機種がないメーカーもあるのに、ニコンは「最高機種が2機種」なんていっているんだもんね。

ろうそくの明かりで夕食をとるのも贅沢、か。