キズだらけのボディ…

キヤノン・IXY DIGITAL 910 IS
 28mm相当からの約4倍広角ズームレンズを内蔵したカメラで、昨年の秋に発売された「900 IS」の後継機種だ。約1年してからのモデルチェンジ。28mm相当の内蔵ズームレンズは公表されているスペックを見る限り「同じ」レンズのようだけどどうも様子が違う。900 ISでは28mm広角端での画面周辺部の描写が、なんと言えばいいのかなあ、まるで指先で押してツブしたようなへんてこな描写だったのだけど、それがだいぶ改善している(たぶん)。画面四隅の描写は、これなら、ま、ふつうじゃないのかな、前の機種の描写がちょっとヘンだった。
 現行のIXY DIGITALシリーズの中では、この910 ISはIXY DIGITAL 10と並んでぼくのもっとも好きな機種の1つだ。28?105mm相当までの4倍ズームというのがいかにもキヤノンらしい堅実な感じもするが、リコーのCaplio R7(いいカメラだねえ)のように28mmからの7倍ズームぐらい思い切ってやってみろよ、とは言わないけれど、もう少し望遠側があればもっともっと魅力的なカメラになっていただろう。


 というのも、手ブレ補正の機能(IS)がよく効くので、ついついもっと望遠で撮りたくなることが多かったからだ。コンパクトデジタルカメラに内蔵の手ブレ補正機能は、メーカーや機種によって補正効果にばらつきがあって、中には“なんちゃって手ブレ補正”と言い切ってよいほどのカメラもあるけれど、この910 ISの手ブレ補正はなかなかよろしいね。
 ところで、この910 ISを使っていて、1つ気になったことがあった。ボディが、キヤノンのコンパクトデジタルカメラにしては珍しく、ボディ表面にキズが付きやすいことだった。押し出し成形されたアルミボディで、緩やかな丸みのあるスマートなデザインに仕上げられている。なのに、残念なことに、すぐにあちこちキズだらけになってしまった(岸谷さん、ごめんね、でも手荒く扱ったわけじゃないですよ)。せっかくのきれいなフォルムなのに、ちょっと無惨。

つめたい潮風に吹かれながらビールを飲む、この贅沢と我慢。