μ1020の素晴らしいッこと残念ッなこと

オリンパス・μ1020
 μ1020の、なんと言ってもその注目点はボディの薄さだろう。いや、薄さ、ということだけを見ればカシオの3倍ズームレンズ内蔵のEX-S10などは感動的なほどの薄さと軽さと小ささで ―― ボディの厚みは約1.5cm、約100g、こりゃ凄い ―― さすが、これには及ばないものの、しかし約2.5cm厚のμ1020には、なんと37?250mm相当の7倍ズームレンズを内蔵している。いわゆるレンズ一時待避型ズームではなくて真っ向勝負の直進式ズームだ。
 オリンパスが得意とする両面非球面レンズや、特殊低分散ガラスの非球面レンズ、精度の高い高屈折率ガラスレンズを使うなどして ―― ナンだかカタログの受け売りみたいだけど ―― 超小型超薄型の直進型高倍率ズームレンズに仕上げたというわけだ。ズーミングすると三段式のレンズ鏡筒が前後に伸縮するのだが、鏡筒そのものがただ前後に伸縮するだけでなく同時にクルクルと微妙に回転しながら伸び縮みする。この様子がいかにも精密機械といった感じで少し感動的。


 と、まあ、こんなふうに、オリンパスのコンパクトデジタルカメラに内蔵しているズームレンズは精密精緻小型軽量なのだが、しかしなぜなんだろうか、翻ってEシステム一眼レフ用の交換レンズとなると、とたんに、なりふり構わず大きく重く高価なレンズばかりになってしまう。

 さて、μ1020にはひとつ残念なことがありまして。
 μと言えば防滴、防滴と言えばμ。フィルムカメラの時代からμのウリの最大のポイントは防滴仕様だったわけで、それがデジタルμになってもきちんと受け継がれていて、くどくど説明するまでもなく「μといえば防滴仕様」だった。防滴仕様のカメラ、なんてとても思わせないシャレたスタイリングで、しかしじつは水道水を多少じゃぶじゃぶかけたところでビクともしない防滴性能を持っていた、というとろがμの隠れた大きな魅力だったのだ。
 ところが、このμ1020は、そのμのアイデンティティーであったところの防滴仕様をやめてしまって、タダのありふれた水に弱いカメラに“成り下がって”しまったのだ。ぼくとしてはじつに悔しいし、こりゃあμファンに対する裏切り行為ではないかッ ―― かなり大袈裟 ―― とまで思うわけだ。これから続く新型μが同じように防滴仕様をやめてしまうのかどうか知らないけれど(不安だなあ)、そりゃあないよ、と思うけど、こんなこと、ぼくが“些細な”ことにこだわりすぎなのかなあ。
 そういえば、μ1020にはマイクロSDカードが使える特注xD-ピクチャーカードアダプターを同梱しはじめたのだけど…、いやいや、これについて話をし始めればキリがなくなるので、やめておきますね。