こだわりのリコー…か

リコー・R8
 R8の電源スイッチをONにしたときも、また、「おっ」と言ったまましばらく“固ま”った。あの例の「キャプリオ・サウンド」がしない。
 キャプリオ・サウンドってのは、ぼくが勝手に名付けたもので、いままでのRシリーズを少しでも使ったことのある人はすぐにわかるだろうけれど、ほら、メインスイッチONにしたときに内蔵ズームレンズが賑やかな音を出して所定の位置におさまるときの音。ズーミングすると、さらに独特の音を出して伸び縮みしますよね。メインスイッチOFFにすると、こんどは遠くで馬がいなないているような、そんな音を出して引っ込む。騒々しい、といえばそうだけど、ぼくは長年使ってきてすっかりキャプリオ・サウンドに慣れてしまった(慣らされてしまった)。そのサウンドを聞くたびに、おおっリコーだ、キャプリオだ、と馴染んでいた。


 しかし、そのキャプリオ・サウンドが、R8では、まったくしない。かすかに音はするけれど、ほとんど無音で、なんとも上品なのだ。上品だけど、なんだか頼りない、という気もしないでもない。すーっとレンズが伸びて(ぽろんっ、と微かなセット音はするが)、ふーっとレンズが縮む。だから、静かなところでG8のスイッチをONにしても、いままでのようにキャプリオ・サウンドでヒヤヒヤしたり恥ずかしい思いをすることもなくなって、ほんと、いいカメラになりましたよ。
 ところで、R7でかなり気になっていた「階調補正」機能 ―― 撮影後に画像を調整する機能 ―― だが、R8では「レベル補正」と名前を変えて、なんとヒストグラムのグラフを見ながら白点、黒点、そして中間点の3つを別々にスライドさせて画像の階調やコントラストの画像調整ができるようになった。相当に“おたくっぽい”機能で、こうした機能はRシリーズというよりも、GR DIGITALやGX100のほうに盛り込むべきではなかろうかと思うのだが、それにしてもリコーってヘンなところに(徹底的に)こだわるんだよね、ほんと。