「SR」でもないのに400%ダイナミックレンジ拡大

富士フィルム・FinePix S100FS
 レンズ交換式の一眼レフが、より小型軽量化して、なおかつ低価格になり、にもかかわらず高画質化し撮影機能もどんどん増える。そんな状況の中にあって、このS100FSのようなレンズ一体型一眼方式のカメラの存在意義ははたしてどうなるのだろうか、といった大上段に構えてのハナシはまたということにして ―― ただし、ここでひとつ言っておくけれど、レンズ一体型一眼方式のカメラは、将来、決してなくなるようなことはないと思う、その根拠となる理由はいくつかあるのだ ―― 。
 さて、S100FSであるけれど、これ、なかなかいいカメラなんだけど、2つだけ“残念だなあ、惜しいなあ”と感じたところがあって、そのひとつがファインダーの視認性、もうひとつはフィルムシミュレーションにモノクロ(白黒)モードがなかったことだった。ネオパンSSなどと古くさいことは言わないけれど、せめて最新のネオパンのACROSまたはPRESTOなんかを加えておいてくれると、もう、それだけでクラっとしてしまう。


 ファインダーはもちろんEVFなんだけど0.2型の約20万ドットで、なおかつ新開発の液晶で応答性や色再現性もイイとのこと。しかし、同じレンズ一体型一眼方式でS100FSよりも小型軽量ボディのS8100fdのファインダーが0.24型で約23万ドットで、わずかだけど大きく見える。新開発のいい液晶を使っているのは見てわかるのだけど、ファインダーを覗いたときに画像が小さいというのもツラい。そして ―― ファインダーまわりを小型に設計しようとして相当に無理をしているのだろう ―― そのしわ寄せがファインダー光学系にモロに出てしまっている。もう数mm余裕をもってファインダーまわりを大きくしていれば、もっと気持ちの良い見え具合だったろうにとここがいちばん残念だった。
 ところでフィルムシミュレーションと並んで(いや、それ以上かな)注目したい撮影機能として、最大400%(2EVぶん)のダイナミックレンジを拡大できる(ハイライト部のみ)モードが備わっている。スーパーCCDハニカムの「SR」タイプとは違って、S100FSはスーパーCCDハニカムの「HR」タイプなのにもかかわらず、SRタイプと同じようにハイライト部のダイナミックレンジを拡大して描写再現できるのである。
 ちょっと機会があれば見てほしいのだけど、S100FSのカタログに「ダイナミックレンジ400%の活きるシーン」として紅葉のシーンが掲載されている。そこを見ると、従来なら赤色が飽和してオレンジ色になっている部分が、400%にすることで赤色が飽和せず微妙な赤色のディテールが出ている。これなどはダイナミックレンジを拡大したことによる、もう1つの恩恵ではないか。