素晴らしい描写の内蔵レンズ

シグマ・DP1
 シグマは、ほんと、よくがんばってDP1を完成させ、製品化し、予想外の低価格で販売したとおおいに感心。
 多少、未完成部分も残ってはいるけれど、とにもかくにもブラボーの拍手だね。聞くところによると、一年ほど前に開発発表したあとほとんど完成に近いところまでできあがった製品をいったんチャラにしてもう一度仕切りなおしていまの製品に仕上げたらしい。それを10万円を下回る価格にしたのにも驚かされた。「15万円は下るまい」と見ていたからなあ。たぶんシグマにとってはほとんど“儲けなし”の価格ではないかと思う。実際、販売店によっては売ってもそれほどマージンも入ってこないので積極的に販売をしないというところもあるようだ。
 さて、このDP1を既存のコンパクトデジタルカメラと同じ「土俵」の上で評価したり判断したりする人がいるようだけどそれはちょっと違うように思う。外観のスタイリングこそコンパクトデジタルカメラではあるけれど、中身の“ソレ”は一眼レフと同じ大きな撮像素子を使っている。まったく新しいカテゴリーに組み入れるべきカメラではなかろうか。


 使用している撮像素子はシグマのデジタル一眼であるSD14と同じAPS-Cサイズ相当のフォビオン ―― フォベオンではないぞ、Foveon=フォビオン ―― センサーを使っている。だから、いちおう、その写りはSD14と同じ…、のはずなのだがそれが微妙に違う。というのも、実際にぼくが使っているSD14と“撮り比べ”をしてみたら、いくつかの点でDP1のほうが良かったのだ。むろん、このことだけでSD14よりもDP1のほうが「デジタルカメラとして優れてる」なんてあほな判断をする人はいないだろうけれど、それにしてもSD14ユーザーとしてはいささか悔しい思いもしないでもない。
 内蔵の28mm相当のレンズ描写がめちゃくちゃ良かった。たまたまぼくが使ったDP1(β版機種)が“大当たり”だったのかもしれないが ―― シグマのレンズは“当たり外れ”が多いからなあ、これ困るんだよなあ山木さーん ―― 素晴らしい描写のレンズだった。いちばん驚いたこと。シグマレンズの“アイデンティティー”でもある逆光時のフレアー発生が少し残っている(残している?)のはご愛敬としても、画面四隅の端っこまでキチンと写っているこのDP1のちっぽけなレンズの描写性能はシグマの一眼レフ用の単焦点レンズよりもイイじゃないですか。