それにしても良くできたカメラだ

キヤノン・EOS Kiss X2+EF-S 18?55mmF3.5?5.6 IS
 めちゃくちゃ良くできたカメラだ。画質、操作性、機能、価格など、すべてにわたってバランスがとれて欠点(らしきところ)がまったくない。「“自信”を持って万人にすすめられるデジタル一眼レフ」と言えるだろうか ―― すすめたあとで、使いづらいだの、よく写らないなどといった不満や文句や苦情を聞かなくてもすむ、そんなカメラだ。小うるさい人に「おすすめのカメラはどれだい?」と尋ねられたときの、困ったときのKiss X2。
 ちょうど同クラスのカメラとして、たとえば、D60をすすめればライブビュー撮影ができないじゃないか、とか、K200Dだとカメラが大きい重いじゃないか、とか、E-420だと手ブレ補正の機能がないじゃないか、とか、α350だとファインダーが見にくいじゃないか、といったような「クレーム」がEOS Kiss X2だと、ない。スキのないカメラ、目から鼻に抜けたようなカメラだ。


 かりに、重箱の隅を突くようにして“欠点”らしきものをあげつらうとすれば ―― 秀才カメラゆえの、おもしろみの少ないカメラか。使っていてワクワク、どきどきを感じることが少ない。意表を突くような120点の写真が撮れそうにない…いや、撮ることがじつに難しそう。そこそこの85点から90点の失敗のない写真は誰にでも撮れそうなカメラ、という気もしないでもない。優秀な未来的ロボットか、デキすぎた人形のようなひんやりとした顔をした女性と話しをしているような、そんな錯覚さえするカメラ。

 それにしても良くできたカメラだ。このEOS Kiss X2を使えば、森羅万象どんな被写体でもそれなりに、それなりの写真が撮れる。そんなふうに思わせるほどのカメラだ。ユーザーインターフェースがこれまた良くできている。たとえばISO感度ボタンや露出補正ボタン、WBボタンなどなどの操作ボタンを押したときの、その設定方法や表示方法ひとつにしても、感心することしきり。
 キヤノンの場合、どんな些細なことでも社内で充分に議論をつくして“最善な策”決めて、それを採用するようにしているのではないだろうか。どこかのメーカーの一部のカメラのように、個人の趣味趣向で気まぐれ的に仕様を決めているのとはだいぶ違う ―― この方法で、偶然、いい結果が得られることもあるけれど。