大当たりのズームレンズ

ペンタックス・K200D+DA 55?300mmF4?5.8 ED
 骨董品的なレンズは別にして、迷ったら価格の高いレンズを買っておけばよい。価格の高いレンズに性能の悪いレンズはない。まず間違いはない。ただし、逆も真なり、とは言えないところがレンズ選びの難しさ。高いレンズに悪いレンズはない、というならば、じゃあ価格の安いレンズは描写性能がそれほどでもないのか、と言われれば、必ずしもそうとは言えない。低価格のレンズの中にも、おっ、と驚くような素晴らしい描写性能を持つレンズもある。種類は決して多くないし探し出すのも至難のワザ。じゃあ、低価格で優れたレンズをどんな方法で探し出せばよいのか。はっきり言ってコレっといった確実な方策はない ―― ないこともないのだけど、かなり経験と知識を積み重ねなければならない。
 公表されているMTF曲線を参考にすればいいじゃないか、なんてあほなことを言う人がいそうだけど、そんなもん見てレンズの良し悪しがわかれば苦労はしない。MTF曲線を見てボケ味がわかりますか、階調描写力がわかりますか、ピント距離での描写性能の違いがわかりますか、フレアーやゴーストの出具合とか影響の程度がわかりますか。
 結局、実際に使った人 (レンズに詳しい人やそうでない人などなど) の評価や感想を参考にするしかない。困ったもんだ。


 でも、仮にそうして“他人”の意見を参考にして購入したとしても、はたして、そのレンズが自分の「撮影スタイル」や「好み」にぴったりと合致するかまではわからない。比較的安いレンズなら、ハズれのレンズだったとしても (少しは) 諦めもできようが、もしそこそこの価格のレンズだったりすれば相当に悔しい思いをしなければならん。

 というわけで、使った人 ―― ぼくのことだ ―― が、近頃でいちばんおすすめする“大穴レンズ”が、ペンタックスの55?300mmズームレンズだ。安い。4万円以下。どーってことのないスペックのズームレンズ。開放F値もF4?5.8で、最短はズーム全域で1.4メートル(1.2メートルは欲しかった)。しかしこれが、素晴らしいレンズなのだ。じつに良く写る。ズーム焦点域、ピント距離にかかわらず描写性能がすこぶる良い。ボケ味についても、後ボケも前ボケも低価格のズームレンズとは思えぬほどの柔らかでナチュラル。安物のズームに見られるようなザワザワしたウルさいボケ味ではない。フレアーも少なくヌケが良くクリアーな描写だ。なんといってもレンズが小型で軽量なのもイイ。
 「瓢箪から駒、みたいなズームですなあ…」とペンタックスの光学設計者に言ったら、「ナニをあほなこと言ってるんですか、狙って設計して作ったんですよ」と怒られた。