ラブ度

富士フイルム・FinePix Z200fd
 「恋するタイマー」とは、それにしてもいいネーミングを選んだもんだ。しかし、その英語表記はといえば、まったくもってどーってことない「カップルタイマー(COUPLE TIMER)」。もし日本語表記でこんなネーミングだったら興味半減、愉しさ半ばだったろうと思う。
 いまのコンパクトデジタルカメラは、ココが大事、ソコがポイントなんですよ ―― 画質がどーの、ノイズがどーの、と、むろんそれをまったく無視するわけにはいかんだろうけど、でもねえ、まるで錐の先で揉み込むようにそんなことばかりに汲々とするようなもんでもないよコンパクトカメラは、ほんと、いまこそもっと大切なものをユーザーもメーカーも見きわめる必要があると思いますよ。コンパクトカメラのイノチは、使い勝手の良さと愉しさとデザインです。


 「恋するタイマー」モードは、基本的には二人の顔をカメラを検知して自動的にシャッターが切れるのだが、その顔の近づき具合(距離)を3ステップの中からあらかじめ設定をしておく。その近づく距離3ステップを「ラブ度」とフジは名付けた。これもウマいネーミングだ。ちなみに英語表記ではディスタンス(DISTANCE)、これじゃ即物的すぎてツマらん。やはり「ラブ度」しかない。
 そのラブ度の3ステップは、「お友達(手をつなぐ距離)」、「仲良し(肩を寄せた距離)」、「ラブ(顔を寄せた距離)」である。ラブ度の距離が近くなるに従ってハートマークが出てくる(おじさんはちょっと照れるけど、まあ、いい…)。たとえば最強の、「ラブ」モードにすると、二人が密着するほどに近づかないとなかなかシャッターが切れない。しいて不満を言えば、シャッターが切れるまでの「演出」にちょっと工夫が足りないことか。ドラマチックな演出まではいらないけれど、もう少しわかりやすく愉しく演出してくれれば、たぶんこどもにも大うけするに違いない。このへんに、フジのカメラ開発者の人たちの“照れくささ”が見え隠れして、笑ってしまう。

 そうそう、Z200fdはカメラとしては、ごくごくまともです。フジのオーソドックス。露出補正はめちゃくちゃ設定しにくい。でも、そんなことはどーでもいいんです。「恋するタイマー」と「みんなでタイマー」の機能がZ200fdの“すべて”。おじさんたちや少しシニカルな若い人たちはばかにするだろうけれど、いやいや、いまイチオシのコンパクトデジタルカメラじゃないかなあ、買ってソンした…と感じないと思いますけどね、愉しめますよ。