流し撮りモード

カシオ・EX-F1
 F1は超高速連続撮影の機能やハイスピードムービー撮影の機能ばかりが注目されているけれど、ほかにも、いくつか魅力的な、そして見逃せない(おおいに将来性のある)機能がある。その一つが「流し撮り」なのだ。撮影者は、いちおう被写体の動きにあわせてカメラをパーンしながらシャッターを切る、といった本来の流し撮りの作法をおこなわなければならないが、しかしF1のこの流し撮りモードで撮影すれば、初心者でもヘボでもドジでも(よほどのへそ曲がり的ヘタ以外は)プロ並みの流し撮り写真が得られるというものなのだ。
 高速連写の機能を応用して、瞬間的に複数枚の画像を得て、その中から数枚を選び画像処理をおこなって重ね合わせ、その結果、擬似的な一枚の流し撮りの写真に仕上げるというものだ。擬似的、とは言ったけれどよほど目を凝らして見ないことにはまったくわからないほどの“プロ並み”の流し撮り写真になる。自慢じゃぁないですが、ぼくはそもそもクルマの撮影が専門で、F1(こちらはレーシングカーの)からWRCのラリー車や草レースなどなどで、もうイヤっ、というほど流し撮りをやってきましたから、流し撮り写真については相当にウルさい。そのぼくが、うーんこれは良くできておる、と感心した。


 そこで、「いったい、どんな処理をやっておるんでしょうかねえ?」とカシオに尋ねたんだけど、しかし「あれこれありまして詳細はいっさいお話しできません」と相当にクチが堅い。ま、それはそれでしょうがないよなあ、それを話してしまうと、この先、つぎにカシオがやろうとしていることが見えてくるんだもん。なお、上の写真を子細に見れば、勘のいい人ならどんなことをやっておるのかがわかるはずですぞ。

 流し撮りモードはBS(ベストショット)モードの中の1つ。流し撮りを選ぶと、自動的にシャッタースピードは1/60秒に固定される。つまり1/60秒のシャッタースピード優先AEになる。ほんらいの流し撮り撮影は、(1)被写体のスピード、(2)被写体との距離、(3)被写体の移動する方向、(4)レンズの焦点距離、(5)ブラす量、などを考えて最適なシャッタースピードを選ぶのだが、F1では1/60秒固定。だからゆっくりと動く被写体を流し撮りしても、それほどブレが大きくはならず“動感”が表現しにくい。
 ところが、F1の流し撮りモードで写すと、あら不思議、背景がキレイに流れていかにもスピード感溢れる流し撮り写真になっておるのだ。クルマ、バイク、自転車、走る人、歩く人、昼間、夜間などなどで試してみましたけれで(おもしろいんだよ、これが)、結果は予想以上でしたね。