良い写真を撮るための形而上的ヒント

キヤノン・EOS Kiss F + EF-S 55?250mmF4?5.6 IS
 写す被写体は、家族でも風景でも花で虫もなんでもいいとしましょう。その写真を撮ろうとしてカメラを構える。そして、フレーミングする。こだわりの程度の差こそあれ、まず、写す範囲を、構図を考えるわけですね。
 このとき大切なことは、まず、アタマを切り替えて ―― ここが大切 ―― ファインダー(あるいは背面液晶)の画面に集中することです。これから写そうとしている被写体が映し出されている画面に集中すること。ファインダーの画面を隅々までよく見て、そしてその画面内を整理してみる。余分なものが写り込んでいないか、かんじんなものが欠けてないか、ものがバランス良く配置されているか、写真の明るさをどのように仕上げるのか、などなど。そういった画面構成をするのです。
 ここでは、可能な限り出来上がりの写真をイメージすることだ。仕上がりをイメージしながら、そう、ちょうど絵を描くように画面を構成することです。ここもポイント。


 画面の構成は急いで直感的に素早くやってもいいし、じっくりと時間をかけて構成をしてもよろしい。悩む時間の長短、そんなことはどうでもいい。かんじんなことは、カメラを構えたら、そこでいったんアタマを切り替えて、これから写そうとする画面をどのように構成しようかという気持ちになることです。絵づくりする気持ち。被写体をよく見つめ、それからファインダー画面をじっくりと見つめる。写真はすべからく「見る」ことに始まり「見る」ことで終わる。心眼だけでは写真は写りません。「思わずシャッターを切った」と言ったりする人がいますけれど ―― 気持ちはわからぬでもないが ―― そりゃヘタな人です、そんなことしてればいつまでたっても写真はウマくなりません。
 被写体が家族だろうが、花や風景だろうが、見慣れた日常の景色だろうが見たものを写すということは「表現する行為」そのものじゃないですか。表現するからには、そこにわずかでも工夫がなけりゃいけません。被写体を見て、カメラのファインダーを見て、その画面を構成することが、すなわち表現のための工夫です。シャッターを切る前に、少し工夫すれば写真は必ず良くなります。
 プラスアルファの魅力が乏しいカメラ、と、このKiss Fのことを言ったけれど、でも、そんなKiss Fにも「工夫」を手助けしてくれる機能がいっぱいつまっておりますから、それを使って工夫して写せばきっと良い写真がものにできると思いますよ。