『レンズ絶対性能』の時代

ソニー・Cyber-Shot T77
 コンパクトカメラで画質うんぬんをチカラを込めて話しはたくないのだけど、しかし悪いより良いに越したことはない、というスタンスで、以下。
 今年の春モデルあたりからだろうか、ソニーのコンパクトカメラの画質が相当に良くなったように思う。色調もコッテリした深みのある色合いで階調描写力もある。レンズも良くなった。最近では、とくに感心した機種はW300。レンズは、ぼくの使った機種がわずかにカタボケであったけれど基本的なレンズ素性はとても良かった。1360万画素の高画素にきちんと対応できるだけの描写性能を備えておりました。
 W300の内蔵レンズは35mm相当からの3倍ズームレンズなので、それほど高倍率を狙わずにたぶん性能重視のレンズだったのだろう。で、こちらT77の内蔵ズームレンズは(同時発売のT700と同じ)超薄型ボディにあわせて新規開発された35?140mm相当の屈曲型4倍ズーム。加えて手ブレ補正機構を内蔵している。


 小型の屈曲型の4倍ズームに光学式手ブレ補正。正直言えば、T77のそのレンズの性能についてはそれほどの期待をしてなかった。ま、そこそこの写り、ぐらいじゃないかとカルく考えていたら、いやいやこのレンズも良かったんです。アタリでした。高画素とレンズ性能は、一眼レフもコンパクトも同じだが、必ずペアでなければならない。いや逆に言うと、高画素化が進めば進むほどレンズの性能を良くしていかないと、せっかくの高画素のメリットが発揮できない。これをぼくは『レンズ絶対性能』と呼んでおります。
 デジタル時代になってレンズは、「安かろう悪かろう」ではとても通用しなくなってきている。とくに高画素になればなるほど、ほんのわずかな“レンズのミス”も許さずに冷酷無比にあらわれてくる。レンズ設計者もレンズ製造技術者も、フィルム時代とは比較にならないほど緊張感を強いられる時代になっている。

 木の枝から鳥が飛び立っているように……見えませんか? 六本木ヒルズ。場所を探してみましょう、どんなふうに写したかがすぐにわかるでしょう。