アメリカ橋のたもとの飲み屋

ソニー・α900 + Planar T* 85mmF1.4
 「α900は小型軽量のフルサイズデジタル一眼レフです…」と説明を聞いていたけれど、使ってみたら、いやいや小型軽量なんてとはとてもとても。
 と、思っていたがナンてことない。重量級のカールツァイスのレンズばかりと組み合わせて使っていたからだ。「ニコンのD700よりも小さくて軽いんですよ」とも言ってたけれど、大きさについては、どっこいどっこいだ。しかし、確かに重さはD700が995gにたいしてα900は850gと100g以上軽い。軽くするために相当にがんばっただろうと思う。

 というのもα900は視野率が100%だしボディ内に手ブレ補正の機構を内蔵させている。撮像センサーを動かすための部材や構造、そのスペースの確保もしなければならない。いや、重量を軽くすることよりもα900にとっては、フルサイズ撮像センサーをスムーズにスピーディーに動かしたり止めたりすることが難題だったようだ。

 「APS-Cセンサーと違ってフルサイズセンサーをシフトさせるのはタイヘンだったでしょう?」、と先日、α900開発の担当者にインタビューしたときに聞いたが ―― このインタビューがおもしろかった、内緒の話もたくさん出た、近々に、とあるウエブに公開するからα900ユーザーはぜひ一読の価値ありです ―― で、その担当者は、「めちゃくちゃ難しかった、途中で、もうだめかな、と思ったこともあった」と、そのようなことをマジメな顔で言っていた。


 そう言えば撮像センサーシフト方式の手ブレ補正は、フルサイズカメラはα900が“初めてで唯一”だ。ペンタックスはAPS-Cサイズ、オリンパスはフォーサーズ。こうした方式の手ブレ補正方式は、センサーサイズが「ほんのちょっと」大きくなるだけで難易度が飛躍的に高くなる。クルマもそうだけど車重が重いほど「走る、曲がる、止まる」は、エンジン、サス、ブレーキ、なにかにつけてたいへん。

 α900を手にしてぼくがまず、いっとう最初にやったことは旧型のミノルタ製レンズを取り付けてイジワルなテストをやった。その1つ。たとえば至近距離にピントを合わせたうえでカメラを振りながらシャターを切る。ナニを試したのかと言えば手ブレ補正動作のために撮像センサーが動いて、それによって実画面がイメージサークルから“はみ出し”て画面周辺部がケラれないかをチェックしたわけだ。手持ちの何本かの旧レンズで試したけれど、しかしケラレらしいものはまったくなかった。ただ、周辺光量が相当に落ち込むレンズがあったのを見つけたぐらい。

 それにしてもF1.4なんて大口径レンズを使って、フルサイズセンサーできちんと手ブレ補正が働いてくれるというのはじつに頼もしい。同時に使っていたEOS 5DM2にもF1.4やF1.2クラスの愛用レンズはあるのだけど手ブレ補正の機構(IS)はない。むろん手ブレ補正効果はレンズ方式のほうが良いだろうけれど、ボディ方式には「レンズを選ばない」という大きなメリットもある。