崩れない丸ボケ

ペンタックス・K20D + DA★55mmF1.4 SDM
 焦点距離55mm、ということはK20Dなどで使用すれば、ほぼ85mm相当の中望遠レンズの画角となる。標準レンズではない。かって、ペンタックスにはFA★85mmF1.4の名レンズがあって ―― やや、ずんぐりしたスタイルの、大きくて重いレンズだが(いまもぼくは愛用しているが)じつに良く写るのだが、残念ながらだいぶ前に生産は中止 ―― そのレンズの外観に似せてフードも、いま流行の花弁型ではなくオーソドックスな丸型フードにしている。
 FA★85mmのカラーはシルバーだったが、このDA★55mmはブラックである。レンズ鏡筒のデザインはじつにシンプルでストイックな印象で、ペンタックスのレンズらしくていいなあ。フードの内側には植毛が施されているなどとても丁寧な仕上げである。


 その描写の1つの特徴は、ボケ味。とくに、高輝度ボケの輪郭がくっきりとしているのが目立つ。被写体によっては、このボケ描写を見て“二線ボケだ”とカンチガイしてしまうかもしれない。そういった意味では、やや堅いボケ味の印象を受けるだろうが、ボケのカタチが崩れにくく、芯があってふにゃふにゃにならないのが、ぼくは気に入っている。
 ピントは開放絞り値からとてもシャープ。線の細い描写、とでもいうのだろうか、この55mmはたとえて言えば、鋭利なカミソリでスッパリと切ったような描写なのだ。対照的に、線の太い、鉈で切り裂いたような描写をするレンズもあるが、ぼくは線の細い、切れ味鋭い描写のレンズの方が好みだ。かくかくしかじか、この55mm★レンズについては、独特のボケ味もあいまって、その描写を好む人と好まない人とで評価が分かれるかもしれない。しかし、好き嫌いは別にしてレンズ性能としては一級品であることは間違いはないでしょうね。
 遠距離、中距離、近距離で描写性能が一定していて、撮影距離の違いによるボケ味や描写の大きな変化もとても少ない。ペンタックスのレンズとしては(たぶん)初めての円形絞り機構を採用していて、F1.4開放絞り値から少し絞り込んでも、ボケが柔らかなままなのも良い。