ぼくの常用カメラ

ペンタックス・K-7 + DA 15mmF4 Limited
 K-7は良いカメラだ。素晴らしいカメラ。使っていて大変に満足感の高いカメラだ。いま、いちばんのオススメのデジタル一眼だろう。
 もちろん小さなところで“不満点”もなくもないが ―― たとえば、ライブビューモードなどでAFの測距ポイントを移動させたあとディフォルトポジションにワンタッチで戻せない、とか、ISOオートのON/OFFの設定方法が珍妙であることなど ―― しかし、そんなちっぽけなことは膨大な“良い点”の前にあっては「ま、いいか…」という気分にさせてくれる。デジタル一眼レフ「カメラ」としての基本性能、たとえて言えば基礎体力みたいなものか、それがしっかりとしていて、その基本性能の上で各種の魅力的な撮影機能が動いている、と、使っていてそんな感じを強く受ける。
 言うまでもないが、K-7はペンタックスの現在のカメララインナップでは“最高機種”にあたるけれど、他社も含めて眺めてみると(とくに価格的にも)押しも押されぬ“中級機種”である。中級クラスのカメラなのだけど、個々の機能や機構を見るととても中級機種とは思えないほど充実していて、他社の最高機種(高い、大きい、重い、傲慢)をまるでコケにしているようにも感じないでもない。


 いちばんのオススメのデジタル一眼だ、とは言ったけれど、K-7は誰にでも分け隔てなくススメられるというカメラではない。デジタル一眼の初心の人には、K-7に盛り込まれている斬新な撮影機能について理解しにくいだろうし(結果的に宝の持ち腐れになりかねない)、それらを使いこなすのにはデジタルカメラがなんたるかの基本的な知識とか経験が必要だと思われるからだ。
 視野率100%にしたって、それがデジタル一眼レフカメラにとってどれほどタイヘンな機構で、どんなに素晴らしい活用方法があるかということは、昨日や今日に写真を撮り始めた人にはなかなかわかりにくい ―― いや、ベテランの中にも、視野率100%なんていらない、なんてこと言っているピンボケあほうはいるけれど ―― 。各種カスタムイメージで設定可能なパラメーターも、使用説明書を熟読したってとても理解できるようなしろものではない。しかし、お仕着せではなくて自分好みの画像(画質)に仕上げたいと願っている人にとっては、まさにかゆいところにも手が届くような機能の一つなのだ。D-Range機能も、新しいAWBの一つとなっているCTEモードもそうだ。

 K-7の画質についても、ある程度のデジタルカメラ経験を積んだ人に向けたチューニングがされているように感じる。初心の人が撮った画像を見て「きゃっ、きれい」と喜ぶようなカリカリのシャープでコントラストが高く色鮮やかな画像ではない。やや大人っぽいというか、玄人好みのする“控えめ”な画質に仕上げられているような気もする。とくに、ハイライト部のディテール描写があって、だからいっけんすると、ややネムい印象を受けてしまうシーンもなくもない。素材重視の画質と言えばよいか。もしそれが不満に感じるのであれば(アタマでっかちの半可通ほどそうした不満を感じるようだけど)パラメーターを自由自在に設定して自分の好きなような画質にして撮ればよいだけだ。その手段はK-7はきちんと用意をしている。