レンズがめちゃくちゃ良い

リコー・GR DIGITAL III
 めちゃくちゃレンズが良い。撮ってみて、いちばん驚いたことだ。旧型のGR-D IIや、他社のレンズ交換式デジタルカメラの単焦点レンズと比べても、GR-D IIIのそれは“段違い”の良さだった。ぼくの使ったGR-D IIIのレンズがたまたま“大当たり”だったというわけではないだろうが、開放絞り値のF1.9でも画面の中心部から周辺部まで描写にほとんど変化がない(珍しい)、切れ味がじつに良い(気持ちイイ)、解像感が際立っている(少しアップぎみの女性の顔のうぶげまで写る)。良いレンズ、と言われているものでも、開放絞り値で撮ると、画面周辺部で球面収差が目立ってきて像が少し流れるものだが、このGR-D IIIにはそれがほとんどない。こうしたコンパクトデジタルカメラでは頻繁に見かける片ボケ現象がない ―― それにしてもリコーの生産技術はこのところ相当に良くなっていますねえ。

 言うまでもないことだが、レンズ描写が良ければ、撮像センサーが受ける光の“素性”も良いということで、画像処理で“余計な後始末”をしなくてもすむわけで、全力投球で画質向上のための画像処理ができる。いやあ、それにしても素晴らしいレンズを作ったもんだ、拍手。


 GR-D IIIの撮像センサー(1/1.7インチ型)の数倍以上もあるレンズ交換式デジタルカメラ(同クラスの画素数)で撮った画像と比べてみたけれど、もちろん総合的に見ればビッグサイズの撮像センサーの画質を越えることはないけれど、撮影シーンによっては充分に張り合っていけるほどの実力はあるんじゃないかと感じた。とくに、低ISO感度で近距離撮影をしたときは「GR-D IIIのほうがイイんじゃないかい」と思ったほど。

 レンズの開放F値がF1.9の明るさがあって、そのF1.9のまま、つまり開放絞り値のままで描写性能を気にすることなくどしどし撮れるというのも素晴らしい ―― 開放F値はとっても明るいけれど描写はイマイチ、1?2段絞り込むと画質が良くなる、という一般的なレンズとはだいぶ違う。このGR-D IIIに採用しているCCDは高感度対応型のもので、従来型に比べて約1EVほど感度レベルが良くなっているそうで、そのことは実際に撮ってみればすぐにわかる。暗いシーンでも積極的「撮ろう、撮ってみよう」という気にさせてくれる。ただ、ねえ、これに手ブレ補正があれば、いやほんと、鬼に金棒なんだけどなあ…ぶつぶつ。