じつはおれは「隠れステレオおたく」なのだ

フジフイルム・FinePix REAL 3D W1
 フジのW1は3Dカメラ、つまりスリー・ディメンジョン(DIMENSION)のカメラで、3次元の立体画像がカンタンに「撮れる」、そのままで「見られる」カメラだ。立体で見える液晶モニターを内蔵させた一般用のデジタルステレオカメラと言えばいいか。立体スチル写真が撮れる見られるだけではなく、立体動画もまた撮れるそのままで見られるというのがこれまた驚く。むろん世界初。とにかくですよ、このカメラの出現は、すばらしいのですよ、すごいんです、快挙なのだ。

 ナニをそんなにこうーふんしておるのか、と思われるのももっともだが、でも、いままでステレオ写真を少しでもやってきた人には、たぶん、このぼくと似た気持ちを持っておられるのではないかと考えている。いやじつは ―― あまり言いたくはなかったのだけど ―― ぼくはステレオ写真歴が20数年以上で(隠れステレオおたく)、フィルム3Dカメラはもちろん何台も持っているし、3D映像に関する資料はできるだけ集めてきたしウオッチしてきたし、ステレオ写真集を作ろうと何度も考えて撮影してきたこともあった。とは言ってもですけど、本格的なステレオ写真の愛好家にはとても足下にも及ばない経験と知識しかないんだけど、そのぼくでさえW1は画期的なカメラであると思うわけだ。


 いままでの、W1以前のステレオ写真について、その仕組みをやさしく解説することや、その魅力を説明するのはじつに難しい(とくにこうした既存のメディアを使っての説明が難しい)。誰もがすぐに「魅力」がわかるというものではない。
 だから、世間一般では「ステレオ写真をやってます」なんて言うと、ヘンに誤解されてしまうことも多い。撮影そのものにも難問がたくさんあるし、撮ったステレオ画像を鑑賞するにも大きな「壁」があって、誰もが容易にステレオ写真を愉しむことができない。だからステレオ写真を愉しめる人と愉しめない人との格差が大きく広がってしまう。愉しめる人は、どんどんと内側に向かっていき、個人でひっそりと愉しむか、あるいは同好の士を集めてそこでお互いに魅力を語り合うといった、やや“引きこもり的”な状況にならざるを得なかった。

 そこに出てきたのがフジのW1だ。難しいことなど、なにもない。誰でもが、いつでもどこでも、ステレオ写真を撮って、皆んなで、その場ですぐにステレオ映像を愉しむことができる。引きこもってなくてよくなったのだ。静止画だけでなく、ステレオ動画も同じように愉しめる。つまり、簡単に言えば、いままでのステレオ映像の大きな「壁」は、見ることの難しさ、だったわけで、それがW1でいっきに解消されオープンになった。これをフジは「メガネ不要の立体映像システム」と言ってますが、しかし、そのひと言では到底、説明しきれないいろいろがあるんですよ、ステレオ映像には。
 とにもかくにも、ステレオ写真はこれから大ブレークすると思いますよ。まず携帯電話にでしょ映画でしょ、PCのディスプレイはもちろん、TVもステレオ映像に対応するようになるのは、すぐですよ。

 なお、上の写真(交差法)を見て、なーんだステレオ写真ってこれだから困るんだよね、とか、フジのW1で撮ったってこんなもんか、なんて思い込まないでくださいよ。とにかく、どこかでW1を触って撮って見てみることですね、ぜひ。百聞は一見にしかず。