ぼかしコントロールの将来性

フジフィルム・FinePix F70 EXR
 昨日、コメントしたF70 EXRの「ぼかしコントロール」についての補足を少し。
 シーンによっては露出アンダーになるが、その原因は不明、と書いていたけれど、その「原因」がわかりましたよ。通常撮影モードでは、たとえばプログラムAEではシャッタースピード連動の下限が1/4秒なのだが、ぼかしコントロールモードでは下限が1/15秒だった。そのため、少し低輝度な被写体であればシャッタースピードが適正露出値まで連動せず、結果的にアンダー露出になってしまったというわけだ。

 ところで、ぼかしコントロールは、じつはとても複雑で高度な処理をしている(らしい)。以下、詳細は不明なのだが、まずシャッターボタンの半押しで瞬時にピントのスキャンをおこなう。その距離情報をもとにして主要被写体と背景(または前景)を判別する。その後にシャッターボタンを押し込むと、2?3カットの多重露出撮影がおこなわれる。ピントを合わせた主被写体を除く背景または前景を領域設定して、そこに対して“一律に”ぼかし処理をするというもの。主被写体と背景が近すぎる場合や、背景のコントラストが低い場合や、あるいは他の“不明な条件”の場合には、「背景をぼかせません」と警告メッセージが出てくるというわけだ。さらに、ぼかし処理がウマくできなかった場合は(カメラの責任であっても)、「画像を確認してください」とわけのわからない警告メッセージも出てくる。
 とにかく、こうした警告メッセージがめったやたらに出てきて、撮影意欲をどんどんと削いでいくのには、ほとほと困った。


 使用説明書には警告が出たときは被写体と背景を離すことや、望遠側にズームしてチャレンジするようにということが書いてあるのだが、実際の撮影ではF70 EXRは「どうすればいいのか」の指示はまったくしてくれない。ただ警告を頻繁に出すだけで、こりゃあ不親切もいいとこだよね。
 運良く警告が出てこずに、ぼかしコントロールで撮れたとしても、シーンによっては背景のぼかし具合が、まるでフォトショップの「指先ツール」でごしごしとこすったような、そんな仕上がりになることも多々あって ―― いやもちろん、おっ、と驚くようなきれいなぼけ描写になることもあるが、それはきわめて数少ない ―― だから、まだまだ未完成だなあ、と思った次第であります。上の写真はぼかしコントロールで撮ったものだが(ツマらん写真だなあ)、通常のプログラムAEで撮ったぼかしコントロールなしの写真との比較を見たい人は、 『ココ』をどうぞ。

 ただし、ここでひと言。ぼかしコントロールの撮影機能が未完成だからといって、F70 EXRそのものが未完成だと即断しないで欲しい。ぼかしコントロールは将来性のある期待の機能の1つで、F70 EXRは、果敢にその初チャレンジをしたわけで、初めっからナンでも上首尾にいくとは限らない。人生だってそーゆーもんじゃないですか(大袈裟、か)。