7Dについて雑感もろもろ

キヤノン・EOS 7D+EF-S 15?85mmF3.5?5.6 IS USM
 EOS 7Dは、キヤノンの例の“出し惜しみ”をすることなく、今できることを今しているカメラだ。いくつか「おやっ?」と感じるところもなくもないが、総合的に見ればとてもまとまり良く、ソツのないカメラに仕上げている。今回はまだ搭載を控えているが ―― それは出し惜しみではなく完成度をより高めているのだろう ―― 今後の展開が楽しみな新しい機能を予感させるチャレンジ(搭載)もおこなっている。

 以下、実際にしばらく使ってみてのインプレッション。
 「おやっ?」と感じたいうよりも、「なぜ、いつまでも対応しないんだろうか?」と不思議に感じたことがいくつかあった。1つめが、モードダイヤルにロック装置を設けなかったこと(不用意にダイヤルが回転して設定が変わってしまうのに、ほとほと困った)、2つめは、ISOオートモードでISO上限が設定できないこと(少し暗いと、やみくもにISO3200までアップしてしまう)。
 3つめは、あいかわらずカメラ内RAW現像ができないこと(もうそろそろカメラ内RAW現像ができるようにしてほしい)、4つめは、自動的に色収差を補正してくれる機能が搭載されていないこと(周辺光量不足の自動補正の機能はあるのにねえ)、5つめは、小さなことだが動画撮影中に静止画AEブラケットが撮れなくなったこと(EOS 5D Mark IIではそれができて、いたく感心したのだがEOS 7Dではできなくなった)などなど。
 これらの5つについては、ぼく個人が特に気になったことであって(だからまったく違う意見を持つ人もとうぜんいることだろう)、それについてはおいおいと詳しい説明などをしていくつもりであります。


 さて、いっぽうで感心した点はといえば、1つめが、ファインダーの視認性がよいことだ。とくにファインダースクリーンで、非交換式の液晶組み込み式であるにもかかわらず、明るくてピントのヤマがくっきりとしてとても見やすい。フルサイズ判のEOS 5D Mark IIに近い見え方。こう言っちゃあEOS 50Dのユーザーが不快に感じるだろうけれど、比べてみると“月とすっぽん”ほど違う。
 2つめ、高ISO感度の画質がよいこと。これまた、50Dと比べると“飛躍的に”ノイズが目立たなくなっている。いちばん驚いたのは、50Dでとくに目立っていた色ノイズが7Dでは大幅に減少している。ノイズリダクション処理は画像処理エンジンのパワーがアップすればするほどより効率的に処理ができる。デュアルDIGIC4の効果がここにも現れているのだろう。撮影シーンに応じたノイズリダクションの設定をウマくチョイスすれば、5D Mk IIの高ISO感度と同等、あるいはそれ以上か、と思わせるほどに高感度での画質がよくなる。
 新しく採用したiFCL測光方式も、これまた非常によい。どんなシーンもほとんど露出補正することなく撮影できる、と言うとちょっと言い過ぎかもしれないが、他社の機種も含めてこんなにも露出補正操作のすくないカメラも最近では珍しい。

 AFは従来とは大きく違って(ほんと、根本的なところで一新されている印象だ)、とくにサーボAFがかなりよくなった。ただし、キヤノンが狙っている“理想の姿”の達成までには、まだ完成度85%といったところ(たぶん)。次機種、それが1系なのかどうかわからないが、その機種にはきっと搭載されてくるだろうと予測と期待される新AF機能が待ち遠しく感じられる。