京都・清水の二年坂

ペンタックス・K-x+DA 50?200mmF4?5.6 ED
 K-xはその「本来の実力性能」にはあまり注目されずに ―― よくわかっている人たちは十二分にK-xのことを評価しているのだけど ―― あの、100色カラーバリエーションと100台限定のコレジャナイロボモデルのほうに注目が集まり、話題になってしまっている。K-xのグリップやトップカバーなどのカラーバリエーションが用意されていて、それらの組み合わせをユーザーが自分で選んで(100種類の色の組み合わせができる)、それを「注文」する。すると、注文から約2週間ほど待てば「出来上がって」きて、それが自分のカメラとなる。むろんこんなことは世界初の試みで誰もが驚く。

 だから、考え方や感じ方がシンプルな人(タンジュンな人、ですね)は、100色バリエーションの“表面現象”だけを鵜呑みにしてしまって、K-xを「キワモノ扱い」しているようだが、それは相当にマト外れ。
 K-xの中身は、とても“ビギナークラス”のカメラとは思えないほどの高機能多機能でミドルクラス並みの実力を持っている。


 しかし、いかんせん、前モデルのK-mのボディをほぼそっくりそのままを流用していて、だから外観を見ただけでは新型機種としての新鮮味も魅力も充分に伝わりきれない。さらに、悲しいかな(あれこれ事情もあって)他のメーカーのように大量の広告宣伝費をつぎ込みタレントを起用して機種の良さをアッピールすることもできない。そのままだとせっかくの意欲的な新製品も埋没しかねない。とにかく注目してもらうことが、まず、かんじん。

 しからば、というわけでペンタックスは、敢えて100色カラーバリエーションという“奇策”に打って出たわけで、そのマーケティング戦略の最大の目的であるところの「注目してもらう」といういう結果のためには、ぼくは最善最良の策ではなかったかと思う(これ以上の、ほかのもっと良いアイディアがあっただろか)。
 ところが、ペンタックスの以外の他のカメラメーカーの人たちと話をしていると、多くの人たちが、ぼくの予想以上に否定的な見方をしているのを聞いて、日本のカメラメーカーの相変わらずの旧態依然としたマーケティング思考に少なからず落胆させられましたね。

 写真の奥の方に京都・清水の二年坂。二寧坂とも。ぼくの幼い頃から、「その石段でこけたら(ころんだら)二年たったら死ぬさかいな、気ぃつけや」と言われていて、だから、いまでもそこの石の階段を上り下りするときに(まったくもってアホらしい言い伝えだと思うけれど)そのことを思い出してほんのわずかだけど緊張する。