「リコーGXR」と「オリンパスE-P2」をS90で撮る

キヤノン・PowerShot S90
 とても良く写るカメラだ。レンズもなかなか良い(レンズについては後ほどゆっくり語りたい)。リコーのGR DIGITAL III、G11でも使っているソニーの撮像センサー、このセンサーがやはり相当に良いんですね。備わっている撮影機能も文句ない。このクラスのカメラとしては充分。
 良く写る、中身の良いカメラなんだけど、2つ、残念だなあ、と感じたことがあった。
 1つはメインスイッチの形状と配置場所。このS90ボディ上部の写真を見てもらえばわかると思うけど、シャッターボタンの横の、ズームレンズ“根もと”に新設されたコントローラーリング、それに機能を割り当てるためのボタン(リングファンクションボタン)がある。で、そのすぐ隣に、同じようなカタチをしたメインスイッチが配置されている。

 ほんのわずかボタンサイズは違うけれど、形状デザインはほとんど同じだから、さあ、撮影しようとメインスイッチを押し込んでONにしたつもりが、リングファンクションボタンのほうをせっせと押しているではないか。道理でカメラが無反応なのか、なんてことがたびたびあった。じつにまぎらわしいし、イラつく。
 メインスイッチボタンこそ、シャッターボタンに近い場所にあるべきだと思うし、そのうえ、それほど頻繁に使用するわけでもないリングファンクションボタンをこのような「一等地」に配置デザインすることの意味も、意図もよくわからん。


 もう1つはボディ前面のカメラをグリップする部分、このS90の写真 Canon のロゴの下ですね、そこが真っ平らでつるんつるんして大変に滑りやすい。指先が実に危なっかしい。そりゃあ確かに、すっきりとしてスマートな感じで「見栄え」はいいかもしれないが、機能的なことにはなんの工夫も配慮もされていない。大変にキツイ物言いになってしまうけど、まるで高校生がカメラをデザインしたような(高校生に悪いけど)、そんな気もしないでもない。プロの仕事とは思えない。

 この際、ついでだからちょっと言わせてもらうけど、最近のキヤノンの、とくにコンパクトカメラのデザインは自己満足的なヘンな小細工をしたり(IXY DIGITAL 930 ISがそうだ)、デザイン的な破綻をしていたり、このS90のように使い勝手のことなどは、アウトオブ眼中、というものがある(すべてがそうだと言うわけではないけど)。
 いまのキヤノンのコンパクトカメラのデザイナーが、いかに写真を撮っていないか、カメラのことを知らないか、それがよくわかって残念至極。

 しかし、良く写るカメラではある。シャープで切れ味の良い描写。ややシャープネスが強く、エッジ部の処理が下品に感じることもなくもないが、撮影シーンによってはG11よりも優れた描写性能 ―― 総合的にはG11のほうが良い、というよりぼくは好き ―― であることも多々あった。上の写真のような条件でも、ブラさずに最適な露出でしっかり撮れば“一眼レフ並”に写すことも不可能ではない、と思う、こんな小さなカメラだけど。
 なお、上に写っている2機種の新型カメラについてはあらためて紹介しますね。牛がげっぷをするくらいたくさん撮りましたから。