777000円、注文しても約3ヶ月待ち

ライカ・M9+Summilux 50mmF1.4
 レンジファインダー式のライカM8/M8.2の「後継機種」がこのM9である。M8/M8.2の撮像センサーがAPS-Hサイズ相当のCCDだったのを、このM9で35mm判フルサイズの約1800万画素のCCDセンサーを採用した。ボディサイズをほとんど変えず、重さがほんのわずかだけ重くなっただけ。ぼくは、M型ライカのスタイルのままではフルサイズセンサーはムリじゃないか、と考えていたからM9が発表されたときは少し驚いた。
 撮像センサーはローパスフィルターなし、オンチップのマイクロレンズを工夫して従来のライカレンズも使えるようにしている。その「写り」は ―― うーん、このカメラで画質について目くじら立ててどうこう言うのはスマートではないのでやめる。このM9は「そこそこの写り」で充分なのだ。このへんの機微は少しわかりにくいかもしれないけど、そーゆーもんだと。

 価格は777000円。ライカのカメラであるということ、M型ライカのスタイルでフルサイズ判のセンサー搭載のデジタルカメラに仕上げたこと、それを考えれば「安いカメラ」ではないか。100万円を越えてもなんの不思議もない。しかし、この価格を「安い」と言うと、異論反論のある人もいらっしゃることであろうなあ。しかしですぞ、いま、このM9を注文しても、約3ヶ月ほど待たなければならないほどの「予想以上の注文をいただいている」とのこと。


 でも、ライカですぞ。フルサイズセンサーだぞ。まごうことなきドイツ製だ。という、そこに「価値」を見いだしている人には約80万円の価格などそれほど気にはしないと思う。いっぽうで、ライカのなんたるかを知らない人には、きっと、なんのこっちゃ、でしょうね。クルマでいえば、そうですねえ、いまのロールスロイスかベントレー、といったところかな。クサっても鯛(とは言い過ぎ、ライカはまだ腐ってはいないけど)。
 M9を使ってみて、旧フィルムM型ライカの「カメラ」としての魅力と完成度には遙かに遠い仕上がりだと感じた(これはちょっと残念だったけど)。しかし、あのM型ライカのシステムとスタイルを守り続け ―― これがいちばん大変なことだっただろう ―― そしてフルサイズ判のデジタルカメラに仕上げたことを考えれば、ほんと、よくやったと思う。

 ところでハナシは大きく変わるけど、このM9を使ってみて、「写真を撮る」という行為 ―― カメラを操作をして、見て感じたものを写すという行為 ―― は、そもそもどういうことなのだろうか、といった根源的なことをじっくりと考えさせられて、久しぶりにおもしろい経験をしました。いまある、デジタル一眼カメラやコンパクトカメラとは、だいぶ「次元」の異なるカメラでした。