新しいカメラシステム

リコー・GXR + 24?72mmカメラユニット(S10)
 GXRは既存のデジタルカメラシステムとは大きく違って、いままでにない機構を備えた新次元のカメラである。だから、そのカメラシステムの意味が少しわかりづらく、理解しにくいところがあるようですね。ぼくも、この新しいカメラシステムをどうもウマく説明がしづらくて難渋しているわけだ。

 私たちに馴染みのあるレンズ交換式のカメラは ―― フィルムカメラであろうがデジタルカメラであろうが反射ミラーがあろうがなかろうが ―― ボディやレンズのそれぞれの基本構造や役割、機能は同じだった。フィルムカメラからデジタルカメラになったときも、そうした基本構造はそのまま受け継がれていたから、従来のレンズ交換式カメラシステムの概念を少し知っていれば容易に理解できた。

 そうした既存のカメラシステムは、レンズ交換式のデジタルカメラを例にとれば、カメラボディの中には1つの撮像センサーと画像処理エンジンが組み込まれている。カメラの主要な機能はボディの中に集約されている。レンズ側には構成レンズ以外には機構とよべるものは絞りの装置ぐらいだ。そうしたカメラボディと、レンズを組み合わせて撮影するのがいままでのカメラシステム。レンズはマウントさえ共通であれば、ボディが“進化”しても“カタチ”を変えてもマウントさえ同じであればレンズはそのまま使い続けることができる。


 ところがGXRカメラシステムは、撮影レンズと撮像センサーと画像処理エンジンなどを一体化してユニットにした。カメラの操作部と液晶モニターなどだけになったのがボディユニット。それを“合体”させることで「デジタルカメラ」に仕立てるというものだ。
 いままでの「レンズ」とよばれていたものに、ほんらいならば「カメラ」に内蔵されるべきモノが組み込まれている。デジタルカメラの肝心カナメのキーパーツのほとんどを「レンズ」に内蔵してしてユニット化してしまった。カメラボディはコントローラーに徹した、言ってみればモヌケの殻(とは言い過ぎだけど)のベースとなるユニット。

 では、こうしたGXRのようなカメラシステムのメリットはどんなところにあるか。
 たとえばだけど、レンズと撮像センサーと画像処理エンジンを組み合わせてユニット化すれば、大きさや種類の異なる撮像センサーにフレキシブルに対応できる。撮像センサーに最適化したレンズと画像処理エンジンをユニットに組み込めば、ベースとなるカメラボディはそのままにして、あるときはコンパクトデジタルカメラふうに、あるときはAPS-Cサイズやフルサイズのセンサーを搭載した本格的なデジタル一眼カメラふうにも「変身」させて使うことができる。
 撮像センサーのサイズ違いだけではなく、フォビオン、スーパーCCDハニカムだって使える可能性は大いにあるわけだし、リコーがすでに発表しているがレンズユニット以外の「ユニット」も同じボディと組み合わせて、カメラ以外の「道具」に仕立てることもできる。

 とかナンとか小難しい話を続けてしまったけれど、よーするにでありますが、GXRカメラシステムの斬新性、将来の可能性、広がる夢にもっともっと注目してみるんですよ。新しいシステムそのものがよく理解できないからと言ってハナっから否定するのではなくて、まずはこのシステムを肯定的に見てみることから始めればいいんではないでしょうか。