視野率約100%(その1)

キヤノン・EOS 7D + タムロン・18?270mmF3.5?6.3 Di II VC
 キヤノンはEOS 7Dのファインダー視野率を「約100%」と言っているが、実際は「97%」ぐらいしかないのではないか。そんなことが話題になっていると、最近、数人から聞いた。キヤノンがウソのスペックを公表しているではないか、と怒っているユーザーも多数いるという。
 でも、いくらなんでも「視野率約100%」とはっきりと公表しているのに「97%ぐらいしかない」ということは考えられない。ぼくにはキヤノンが、そんな、すぐにばれるような「ウソ」を言うとは到底思えない。CIPAで決められた測定方法を誤魔化してキヤノンがスペックを公表するなんてことはあり得ない。キヤノンが「約100%」と言えるだけの根拠があることは間違いないだろう。

 とはいえ、7Dのファインダーを覗いて見てみると他の視野率約100%のカメラとは少し異なった見え方をすることは確かだ。ファインダー画面周囲のぎりぎりが少し見づらい感じがする。
 この原因は ―― たぶん ―― 視野角度やアイポイント長や視野倍率の影響で「約100%」に見えないのではないだろうか。


 7Dのファインダー倍率は、かなりがんばって1.0倍にまで向上させている(APS-Cサイズセンサーのカメラ相当で)。倍率が高くなるほどファインダー内の像が大きく見え、ピントの確認もピント合わせもやりやすくなる。しかし、ペンタプリズムのサイズも含めてファインダーまわりをコンパクトにしたまま、そしてアイポイント長をそこそこ確保してファインダー倍率をアップするためには、ファインダー光学系の設計は相当に無理をしなければならず、そのしわ寄せがどこかにきているはずだ。

 7Dのアイポイント長は約22mm。ちなみにEOS 50Dは、視野率約95%でファインダー倍率は0.95倍だが、アイポイント長は7Dと同じ約22mmだ。この数値を見比べるだけでも、EOS 7Dが相当に「無理」をしていることがわかる。撮影倍率をアップするには(もっとも簡単な方法は)アイポイント長を短くすればよい。しかしアイポイント長が短くなればファインダー接眼部に眼をぴったりと密着させるぐらいにして覗かないと、ファインダー画面全体をいちどに見渡すことが難しくなり、結果的に見かけ上の視野率も下がる。倍率とアイポイントをそこそこの数値を維持して、さらに高い視野率を確保しようとするのは相当に難しいはずだ。
 さらに、もう1つ、視野角度の問題もある。 ―― 以降、話が長くなるので、このつづきは明日に。