超高速連写 ― その2

ニコン・D3S + Nikkor 85mmF1.8 D
 超高速連続撮影のつづき。
 ミラーが下がった状態では、レンズを通った光がそのミラーに反射してカメラ上部のファインダーに導かれる。超高速連写のとき、ミラーは上がっているとき(短時間であるほどブラックアウトが少ない)とは逆に、下がっている時間が長ければ長いほどファインダーの視認性は良いということになる。
 高速でミラーが下がったとたん、メインミラーにもサブミラーにも相当な“ショック”が加わっている。超高速でばたばたとミラーを上下させれば、なおさらそのショックは強くなる。強いショックを与えたミラーは、そうカンタンには止まらない。“ばたつき現象”が起こる。でも、素早く完全停止させねばならない。
 受けたショックを素早く確実に吸収して、メインミラーもサブミラーも“ばたつき”を最小限にとどめて、一刻も速く完全静止させないことには、メインミラーを通過しサブミラーで受けた光をボディ底部にあるAFセンサーに届けて、正しい測距をおこなうことができない。
 超高速連写になるほど、この完全静止させるための技術が難しくなる。


 さらに、今度は、メインミラーもサブミラーもビタリと静止させた状態を、可能な限り“長時間”そのまま続けてくれるほうが、AFの測距だけでなく、測光も正確にできる。でも、1秒間に9?10回も上下しなければならないわけだから、一回の上下作動中のそのごく短い時間内で、いかに“やりくり”をして少しでも長く静止させておけるか、これもまた技術的な難易度は相当に高い。D3/D3Sも、EOS-1D Mark4も、それを“軽々と”やっているというわけです。でないと、9?10コマ/秒のハイスピード連写で、かつ高速でこちらに向かってくる動体にすべてAFでピントを合わせながら撮影するなんてことはできない。

 高速連写、とカンタンに言いますけど一眼レフカメラにとってはめちゃくちゃムツかしいことなんですよ、じつは。こればかりはデジタル処理でどうにもならないことで、とことんアナログ的なメカニズム制御がまだまだ一眼レフカメラの中には残っておるんです。この精密さ緻密さに比べれば、こう言っちゃあナンでありますが、ミラーレスのカメラなんて“へ”みたいなもんか……いや、それは言い過ぎ、じょーだん。

 D3Sにまつわるハナシは、せよ、と言われればまだまだいっぱいあるが、皆さんもそろそろアキてきたでしょうから…。