オリンパスのことをもう少し…

オリンパス・E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL 14?42mmF3.5?5.6L
 フォーサーズのシリーズを充実させておきながらマイクロフォーサーズに“踏み出した”オリンパスは、ずっと不安と悩みを抱えていたはずだ。これからEシリーズをどうするか、である。
 マイクロフォーサーズの規格が発表される数年前から、オリンパスがフォーサーズのセンサーを使い続けていくなら、レンズ交換式のミラーレス一眼カメラをいずれはやらざるを得ないだろう、とぼくは見ていた。そしてマイクロフォーサーズを始めたわけだが、ただ、パナソニックと共同開発ということは“想定外”だったけど。ぼくはてっきりオリンパス独自でやるんだろうと考えていた。

 それはともかくとして、問題は、せっかく充実させたフォーサーズのEシリーズを「どうするのだろうか」と、ぼくとしてはそれが気がかり(というとエラそうだけど)だった。新しく始めたマイクロフォーサーズのカメラボディやレンズシステムを新しく構築していかなくてはならない。
 つまり、こうしたレンズ交換式のカメラは「システムカメラ」なわけで、コンパクトカメラのように“これっきり”というわけにはいかない。大変な人手とパワーと予算と技術力と、将来のことを先読みする予知能力が必要となる。だから、いくらなんでもオリンパスが、フォーサーズもマイクロフォーサーズも、同じようにパワーをかけてシステムを持続して拡張していくのは、ぼくのようなシロートから見ても無謀、のように思えた。


 その証拠に、パナソニックは早々にフォーサーズから足を洗い(表面的には継続していることになっているが)、軸足をしっかりとマイクロフォーサーズに移してしまった。パナソニックにはオリンパスのような「古くからの(ユーザーとの)しがらみ」がまったくないし、いや、そもそもユーザーに対する考え方が根本的に違うこともある ―― パナソニックがフォーサーズをやめたのは、ほかにも深い理由が1つあるんだけどそれはそれ…。

 オリンパスがマイクロフォーサーズに踏み込んだときに、ぼくは、フォーサーズはいずれなくしてしまうだろうと考えた。この生き馬の目を抜くようなこのカメラ戦国時代に、両方のカメラシステムを発展継続させていくなんて、そりゃあむちゃだ、と。二匹のウサギを追っかけるようなものじゃないか、と。
 しかしオリンパスは、フォーサーズを維持しつつマイクロフォーサーズを拡充するという大胆な二兎を追う手法をとった。どうしてなのか?

 そこがパナソニックと違う大切なポイントで、オリンパスとしてはフォーサーズのEシリーズのユーザーを“切って捨てる”ようなことはゼッタイにしたくなかったのだ。
 Eシリーズを大事に育ててくれたユーザーに恩義を感じて(こういった言い方が適切かどうか不安だけど)、儲けを度外視してでも、Eシリーズの新型カメラを発売することで、とにかくEシリーズを継続していくんだぞ、皆さんを見捨てないぞ、というオリンパスのメッセージにしたかったわけ。
 なんだか少し浪花節的な見方かもしれないけど、ぼくが親しくさせてもらっているオリンパスの人たちを見回してみると、当たらずとも遠からず、という気もしないでもない。

 ミラーレスカメラに踏み出そうとしているキヤノンやニコンは、いま、こうしたオリンパスのやり方をじーっと注視しているところじゃないかなあ。