強風と朧月

ニコン・COOLPIX S8000
 うーむ、なんと言えばいいのか、このカメラ。しばらく使ってみたけど、ぼくにはS8000の、その「良さ」がいまいちよくわからない。このカメラとの「相性」が悪かったのかなあ……。

 30mm相当の広角画角から望遠側は300mm相当までの10倍ズームレンズを内蔵させたカメラで、外観デザインは「ニコンとは思えぬほど」アカ抜けしてシャレていて、そしてそのカメラのツクリも素晴らしい。でも、使い勝手は決して「良い」とは言えない。
 使い始めて最初にびっくりしたのは起動時間の遅さ。ストップウオッチで計ったら、シャッターが切れる状態になるまで「約4秒」もかかる。メインスイッチONで液晶モニター表示まではめちゃくちゃ速い。だけど、シャッターが切れるようになるまでに時間がかかりすぎるのだ。ナニ考えているんだろうか。

 あれこれ設定を変更して、おおそうか、と気づいたのが「モーション検知」機能だった ―― カメラブレや被写体ブレを自動検知して補正する機能。これがONになっていた。OFFにしてもう一度計ってみると「約3秒」になった。たった1秒の改善。


 でも3秒もかかる。この悠揚せまらぬ動作に、イラッチで短気なぼくは、まずここでメゲてしまった。カメラのデザインもツクリも、とっても良いんだけどなあ(クドい、か)。

 内蔵ストロボはスイングアップ式。内蔵レンズは300mm相当もの望遠になる。長焦点になればなるほどレンズ光軸とストロボ発光部を少しでも離さないと赤目が出まくる。それを避けるためのスイングアップ式だ。28mmから約400mm相当の14倍ズームを内蔵させたキヤノン・PowerShot SX210 ISも、同じ理由で、同じくスイングアップ式を採用している。
 そのS8000の内蔵ストロボには調光補正の機能がない。SX210 ISにはある。このクラスのコンパクトカメラなら、いまや「当たり前」の機能なのにS8000にはそれがない。そりゃあいけませんよ、ニコンともあろう一流のカメラメーカーが作る機種なのに。調光補正の機能はケチってはいかんですよ。

 10倍ズームにはVRを内蔵。手ブレ補正はひじょうに良く効きます。上の、朧月の写真のシャッタースピードは1/2秒。手持ち撮影。強い風で細い木の枝だけがブレて揺れているが、太い枝はブレずにくっきりと描写されている。これには感心、感心。