大肉厚両面非球面レンズ、ってナニ?

オリンパス・E-P2+M.ZUIKO DIGITAL 9?18mmF4?5.6 ED
 今後、ミラーレス一眼はレンズ交換式カメラの主流となっていくだろう ―― こうしたカメラはメカ的にだが既存の一眼レフカメラとは桁違いに機構がカンタン。カメラ作りのノウハウや技術力がそれほどなくても、そこそこのカメラが、どこの国のどこのメーカーでも作れる可能性だってある。構造がカンタン、部品点数も少ないから材料費も安くてすむ。組み立てるにしたって人件費が安ければメチャ安のカメラだって作れる。
 そう、ちょうど電気自動車みたいなもんだね。モーターとバッテリーをどっかから買ってくれば、あとはタイヤを4つつけて上におおいを被せればよい。それでクルマになって、ともかくも走る。乗り心地や操作感、走る止まる曲がるのクオリティーは別。

 デジタルカメラだっていずれ、それに近い世界がやってくると思う。安い安いレンズ、超低価格の撮像センサー、捨ててもいいような電子基板。そんなもんを寄せ集めてカメラを作っちゃう。優れた描写性能や気持ちよい使い心地、耐久性や高級感なんてどーでもいい。
 とりあえず、ま、写ればよし、安ければよし。そんなカメラが世界中に出回る、のも、そんなに遠い未来ではないかもしれない。トイカメラモードだ、なんて愉しんで使ってるけど、いまに、トイカメラモードでしか撮れないデジタルカメラがいっぱい、ってこにもなりかねませんぞ。


 とくに当面、これからタイヘンなのはコンパクトデジタルカメラでしょうね。そして次にミラーレス一眼。だから、いま日本のコンパクトカメラは、そうした流れの中でどうすれば「生き残って」いけるのか。ここが勝負所。優れたカメラメーカーはすでにそうしたことを考えて、1つ2つと手を打っている……いやいやイカン、コンパクトデジタルカメラの話ではなくて、そう、オリンパスの9-18mmズームレンズの話をするんだった、ぼくは生来、集中力欠如症候群なので話していてもつい気もそぞろ、あっちこっちにトンでしまう。

 で、この9-18mm超広角ズームは大肉厚両面非球面(DSA)レンズを2枚使うことで高性能で超小型のレンズに仕上げている。両面非球面レンズを作ることさえそうそうカンタンでないうえに ―― 両面非球面の芯合わせが難しい ―― 肉厚、つまりレンズの曲率を大きくするためにレンズ周辺部が中央部に比べて極端に厚くなる。すると、こうした肉厚の両面非球面レンズを金型でイッパツで極めて精度の高く作ろうとすると、いやこれがタイヘンなのだ。
 まず高温でレンズを暖めて、それを金型(この精度が並大抵じゃあない)でサンドイッチさせレンズを作る。しかし、肉厚レンズだからよほど上手に冷やさないとレンズ自体の温度差ですぐに割れてしまう。「1枚レンズを作るのにどれくらい時間がかかるんですか?」とぼくはオンパスのその担当者に聞いたんだけど、そうしたらすかさず「そんなこと言えませんよ、ゼッタイに」と。そりゃあ、そうでしょうね、あははは、聞いたほうが悪かった。