本日のハナシは、あっちこっち、してます

ニコン・D300S+シグマ・8?16mmF4.5?5.6 DC HSM
 APS-Cサイズ判のデジタル一眼専用の超広角ズームレンズとしては、もっとも「超広角」である。35mm判換算での画角は(×1.5としたニコンの場合)約12?24mm相当になる。
 画角、という点でいえば、デジタル一眼専用レンズとしてもっと広い画角を誇るペンタックスの「DA FISH-EYE 10?17mmF3.5?4.5ズームレンズ」が存在するが、しかしこちらはFISH-EYEレンズなので強烈なディストーションがあって画面周辺部では直線が樽型に歪む。このシグマの8?16mmは歪曲収差はよく抑えられていて画面周辺部で直線がほとんど歪まない ―― そりゃあこれだけの超広角のズームレンズだ、よく見れば歪曲収差はある。とくに近距離にピントを合わせるとそれなりに歪みは目立つ。しかしながら、よく補正されていて、よほどの“悪意”を持って“舐めるように”して写真画像を見ない限りほとんど気になるようなものではない。

 レンズ描写は素晴らしい。逆光に強い超広角ズームレンズだ。
 逆光で撮っても、太陽を画面内に写し込んでも、フレアーもゴーストも少なくヌケがよくクリアーである。ヌケが良いからシャドー部のシマリも階調描写もとても良い。
 超広角レンズともなると、逆光だ半逆光だなどと、そんなことを心配していれば写真は撮れない。強い光や有害な光がどこからレンズに差し込むかわかったもんじゃない。それが超広角レンズ。レンズフードなんかもまったく役に立たない。逆光、半逆光をものともせずに、がしがし撮るのが超広角レンズ。だからこそ、もともと「逆光に強いレンズ」である必要があるのだ。


 広角レンズ、とくに超広角レンズの使いこなしのポイントは、思い切って前に出て撮ることが基本である。初心の人にとっては、このことはとくに大切。勇気を出して被写体に一歩でも二歩でも近づいて撮る。こうすることで、自然と画面周辺に図々しく写り込んでくる邪魔者をカットすることができて主題がはっきりとしてくる。超広角レンズで臆病になって離れて写せば、テーマが曖昧になり当たり前の広く写った写真にしかならない。
 というようなことを、先日、ツイッターで手短に言い切った。

 いやじつは、ぼくのツイッターでは、ときどき ―― どちらかといえば写真が初心の人に向けて 、ちょっと役立つ「撮影の格言」のようなツイートを書き込んでいる。ツイッターは手短に簡潔に言い切ってしまうことが大事だとぼくは考えているから、こりゃあ誤解を招くかもしれないなあ、反論する人もいるだろうなあ、と思いながらも、撮影に役立つヒントのようなことを、あえて断定的に書き込んでいる(そもそも写真撮影に、こうでなくちゃならない、なんてことは何一つとしてないのだけどね)。

 広角レンズを使って離れて写せば当たり前の写真にしかならない。
 そうツイッターに書きこんだら、案の定、「そんなことは断じてない」と、知らぬ人から素早く反論のリツイートが来た。いや、それはわかっておるのだ。言いたいことはよくわかっておる。広角レンズで離れて写すという撮影技法も確かにある。ただし、それをやるにはそれなりの撮影技量と写真センスが必要で、といった内容を初心の人たちに説明したり勧めるのは、あまりにも難易度が高すぎる。被写体に近づいて撮る方法もあります、逆に離れて写す方法もあります、なんて曖昧な説明すれば読む人は混乱するばかりで、手短が勝負のツイッターの意味がなくなる……。

 ことほどさように、レンズの解説は難しいものなのですよ(使いこなしも、ね)。それを苦労して、わかりやすく一冊の本に仕上げたのが『デジタル一眼レフ・こだわりレンズの極め方教えます』です。恥ずかしくもなく宣伝するけど、これを読めば交換レンズのことはそれなり理解できると思いますよ、たぶん、初心の人にも。