使いこなすには努力と忍耐と工夫が必要なカメラ

シグマ・SD15+50mmF1.4 EX DG
 Foveon(フォビオン)センサー搭載の初めてのデジタル一眼レフカメラであるSD9(2002年秋発売)を使ったとき、その印象を「Foveonセンサーで撮った画像は、まるでKodachromeで写した写真のようだ」と述べた。それをどこかの雑誌のSD9の使用レポートで書いた。ずっーと前の話だが、いまではそれがすっかり“定説”になってしまっているようだ。
 Foveonセンサーは、ほとんどのデジタルカメラが使用しているベイヤー方式のセンサーとは構造が大きく違っている。やや大胆に言えばその構造がカラーフィルムとよく似ている。ベイヤー方式のセンサーがR/G/Bを「平面」に並べているのに対してFoveonのセンサーではR/G/Bが「垂直」に配置されている。

 撮影するにつけても画像を仕上げるにしても、相当に“クセ”の強い撮像センサーである。そこがカラーリバーサルフィルムのKodachrome(コダクローム)とタイヘンによく似ていたのだ。


 Foveonセンサーは写真画像に仕上げるための画像処理エンジンが難しいだけでなく ―― それだけだったら撮影者はほとんど苦労しなくてもすむのだけど ―― 撮る側にもそれなりの忍耐と技術と寛容性が要求される。撮影ISO感度も低感度「限定」というところもKodachromeと似ていてあれこれ苦労を強いられる。
 しかし、そうした使いづらさを我慢する忍耐力と、たまに起こる悪い仕上がり結果にも許せるだけの優しい心、そしてFoveon(と、シグマ製のカメラ)をじょうずに使いこなす技術力があれば、びっくりするような高画質で魅力いっぱいの独特の色調の写真画像が得られる。このへんもKodachromeとそっくり。

 SD14から基本スペックはあまり変わっていないが、しかしSD15になって一眼レフカメラとして“飛躍的”に使いやすくなった。SD9からSD10、SD14、そしてこのSD15を使い続けてきたぼくは(それだけではないDP1もDP2のユーザーでもある)、とはいえ、SD15のファーストインプレッションとしてはやはり相変わらず一筋縄ではいかぬ頑固で強い個性を持ったカメラであるなあというのが正直なところでありました。