モードダイヤルにロック装置付けてくれたのはいいんだけど…

キヤノン・EOS 60D(β版)+EF-S 18?135mmF3.5?5.6 IS
 EOSシリーズの新型カメラが発売されるたびに私たちが要求や改善を願ってきたのに、キヤノンがずっと聞く耳を持たなかった状態から、一転、EOS 60Dで“とつぜん”願いを受け入れて「実現」してくれたことは大きく3つあるように思う。
 (1)モードダイヤルのロック機構、(2)カメラ内でRAW現像の機能、(3)カメラ内で撮影画像の簡単なレタッチ機能。
 こうして見てみると、どれも他のメーカーのカメラではだいぶ以前から取り入れているものばかりだ ―― そういえばソニーもカメラ内でRAW現像したり写真をレタッチしたりするのを拒み続けているメーカーだ。

 さて、モードダイヤルのロック装置。Kissなど初心者向けの機種はともかくとして、中級、上級クラスのカメラではモードダイヤルにロック装置を設けるのは必須のこと、当たり前のことだ。
 中にはモードダイヤルにロック装置を設けることに猛反対する人もいることも承知している。「素早くセットできない」というのがその反対理由だそうだが、はたして撮影中に露出モードを頻繁に変更するなんてことがどれほどあるのだろうか。ぼくはそのへんのカメラの操作のやり方がよくわからない。


 でも「モードダイヤルの素早い操作性」よりも、ちょっとしたはずみで ―― カメラを肩から下げて歩いているとか、カバンに出し入れするだけで ―― ダイヤルが動いてしまわないことのほうがずっと大切。せっかく自分が決めた設定が知らない間に変わってしまう、そのことのほうが数倍いや数百倍、困る。撮影することを仕事にしている人(プロカメラとは限らない)にとっては失敗は致命的。失敗しても笑って済まる、ってワケにはいかない。失敗する確率は最小限にして撮影の仕事をしなければならない。ロックの装置さえ設けておけば、その失敗のリスクは、ひとつ、まず回避できる。

 そんなカンタンなことさえ、キヤノンはいままでワカッテなかったのだ。だから、ワカッテなかった時期に作ったEOSシリーズにはモードダイヤルにはロックがなく、クルンクルンとおもしろいように(冗談だぞ)回る。でも60Dでロック対応したことについては文句なしに「良くやってくれたっ」です。
 ところで、60Dのモードダイヤルはロックが付いたからといって万々歳というわけではないのだ。詳細は雑誌のコラム(カメラマン誌「開発者出てこい」)で取り上げるつもりだけど、その60Dのモードダイヤルの回転は「終点まで行っては帰ってくる」方式なのだ。くるくるとフリー回転してくれない。これ、使ってみると困るんだよね。