カメラ内RAW現像処理

キヤノン・EOS 60D(β版)+EF-S 18?135mmF3.5?5.6 IS
 技術的な難易度のほどはわからないが、撮影したばかりのRAWファイルをカメラ内で現像処理をすることはそれほど難しいことではないはず。DIGICで撮った画像をあれだけスピーディに処理しているのに、そのDIGICをRAW現像のほうに「逆利用」すればパソコンで処理するよりずっと高速にRAWが展開現像できるはず。

 キヤノンがなかなかカメラ内RAW現像に対応しなかったのは、万が一、それが原因でクレーム ―― ぼくには想像がつかないが ―― が起こったときの対応のことまで考えていたのではないか。触らぬ神にたたりなし、君子危うきに近寄らず、か。
 ぼくが知っている“いままでの”キヤノンであれば、そうなんでよすね、そんなふうに物事を「後ろ向きに難しく考え過ぎる(取り越し苦労する)」ことは不思議でもなくもない。

 おそらく、このカメラ内RAW現像もモードダイヤルのロック機構も、その「一歩」を踏み出すためにキヤノンは社内で相当に議論をしたと思う。そうカンタンなことではなかったはずだ。


 カメラ内RAW現像ができることのメリットは、まずキヤノンにとっては堂々と胸を張って、PIXUSのプリンターでRAWダイレクトプリントができるぞ、と言い切れるではないか。
 いままでのEOSシリーズの一部の機種では、RAWダイレクトプリントができるものもあったのだけど ―― RAWファイルの中に埋め込まれている「隠しJPEGファイル」を引きずり出してそれでプリントする ―― むろん、WBやピクチャスタイルを変更したり選んだりするなんてことは当然ながらできなかった。

 撮ったRAWをそのままプリントするだけだったのが、60Dでは、WBを選んだりピクチャースタイルを変更したりなどなどの処理をおこなったうえで、プリンターとカメラをダイレクトに繋いでプリントすることができる。街の写真屋さんにメディアを持っていって「このファイル、急いでプリントしてちょうだい」といったことも簡単にできる。そのほかにも便利なことや愉しいことがいっぱいある。
 RAWファイルの現像はカメラで“小手先”でやるもんではない。カラー調整したパソコンのディスプレイで「姿勢を正して」おこなうべきだと、いや、まじめにそう言われたこともあって困ったことがあった。でも、撮ったばかりの写真をその場ですぐにWBを変えたりしてみるだけで面白いんだよね、これが。