じっくり熟成型カメラ

リコー・CX4
 CX3の「マイナーチェンジ」機種。文字通りのマイナー(小規模)な改良“だけ”をしたカメラである。小さなチェンジだけどカメラ性能としては新しい機能も追加されたりして(ますます多機能カメラになったけれど)だいぶ良くなっている。
 もともとCXシリーズは基本性能を継続しながらマイナーチェンジを重ねてだんだんと良くなっていくカメラでもある ―― 当初からリコーがそれを狙っていたかどうか不明だけど ―― 。「じっくり熟成型カメラ」とでも言えばいいか。

 新型CX4が旧型CX3からそのまま引き継いでいる機能や機構はいっぱい、いっぱいある。1/2.3型約1000万画素裏面照射型CMOSも、28?300mm相当の約10倍ズームも、最高ISO感度3200も、画像処理エンジンも、3型92万ドットの液晶モニターも、操作系のスタイルもデザインも、みーんなそのまま。機能や機構をそのまま引きずらざるを得ない理由があるのだ。
 ただし、ボディの外観デザインは、CXシリーズにしては「大幅」に変わった。


 CX2、CX3のボディ外観のデザインがことさら好きだったぼくとしては、このCX4を見たとき「…うっ」としばらく黙ってしまいましたよ。大慌てで家を出てきて靴下もはかずに革靴姿のまま、のようなボディ外装、という感じもしないでもない。
 そうです、CX4のグリップ部があまりにものっぺらぼう過ぎるというか、あっさりしすぎてるんですよね。その点CX2もCX3も、いま見てもボディデザインの完成度はとっても高かったのに。聞くところによると、ボディを少しでも薄く見せたかったようですね。

 そうした小手先のデザイン変更(やや失敗だったと思う)ではなくて、新型カメラなんだからもう少し「ほんものの変化」が欲しい、という意見もありましょう。しかしですぞ、毎度毎度、モデルチェンジのたびに「大幅」な変更を加えていたのでは、どこのカメラメーカーも“身”が持たない。
 いまカメラは、深刻な低価格化の負のスパイラルに入り込んでいて、そうした現状では「マイナーチェンジ」するか、ペンタックスのコンパクトカメラのようにコストをかけずにアイディア勝負が精一杯なんです。そりゃあ安くて性能が良ければいいだろうけど、でもカメラはね、皆さんが考えているほどそうそう安く安くは作れないもんですよ。安くしようとすればどうしても性能を落とさざるを得ない。しかし重箱の隅をつつくようにして性能が少しでも悪いと文句ばかり言う。
 もういいかげん、そんなむちゃくちゃな要求をカメラメーカーにするのはやめましょうよ。